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STAR TREK XI

ちゃんと書きたい気もするけど、それは BD 版見てからでもいいや。とりとめなく流し書き。

国内の先行公開日だったので見に行った。「(制作者の ST 愛不足により)ヤバいかもしれんので気をつけて見に行け」との事前アドバイスだったが、公開後の本国での評判は「ちょっと疑わしいくらいの絶賛」とのことで、疑問符に疑問符が掛け合わざると感嘆符になる的な化合でも起きればいいのかなーと思っていたんだが、結果としてはかなりおもしろかった。まずおれは本作をTOS を設定をリメイクした映画だから別物なのかなーと思っていたんだけど勘違いで、これは確かに(というかまさしく)ベツモノではありつつ、本編と無関係なわけではなかった。トレーラー以外の事前情報入れずに行って正解だったよ、そこが素直に驚きであり、楽しむことができた。「ずいぶん派手にはなったけど、前景のコンフリクトと背景のコンフリクトが直結されるようなカタルシスは薄くて、基本的に最も重要な部分は会話でオチるあたり、ちゃんとスタートレック」みたいな。

ナウなヤングにリフレッシュされた TOS クルーのそっくりさん度&イケメンリファン度がかなりのもので、逆に有名どころを起用しないで済むからギャラ的な問題なのかなーと思わんでもなかったけど、それぞれなかなかの好演で、よかった。「連邦の宇宙船が地上で建造されてる絵がある」てのはアレなんだが、それ以外の「このキャラはこんなことしない」「ST 世界の人間はそんなことしない」みたいなアレは、まあベツモノだしねー的に理解しとけばよしってかんじで納得したし、諸々のぶん投げっぱなしのシナリオ要素も「いやーまあ結構ひどい話ありますよねスペオペって」みたいな部分で保留できたし(にしても両親との関係をめぐるスポックとのコンフリクトが重要な話なのに、カーク側の母親が全然描かれていないのは気になった、ディレクターズカット版ではもうちょっと登場シーン増えるのかな)、わりあいどうでもいい部分でソックリさんのソックリ演技に救われたりした気がするし、映像面でのコテコテな CG アクションノリが、ST 映画シリーズにある独特の「ST って基本ヒョロメガネの趣味で、DQN フィールドの映画館で上演するには色々パンチが足りないので、似合わないアクションシーンとかちょっと刺激が強そうなシーンとかを入れてみたりするんですけどやっぱりサマにはなりきれません、だってこれスターウォーズじゃありませんので」みたいな意味での微妙に突き抜けない雰囲気を、はじめてちょっと突き抜けたような野卑さを受け取ることができたような気がした。まあやっぱり派手めなシーンの「でもこのシーンはお話的に要る要らないでいったら要らないよね」感はきちんとあるんだけど(やんちゃ演出で車を崖から落とす意味は筋書き云々より予告編向けの意味合いが強すぎだろってかんじだし、例の地上で建造している宇宙港にバイクで行くのは ST で TOP GUN やりたいだけだろっぽすぎるし、採掘船がわざわざ穴掘ってから爆弾投下する理由が不明だし(あんなことせんでも速攻投下して離脱すれば済むよな?)、最後エンタープライズがワープコアを暴走させなきゃ逃げ切れないところでモタモタしていたのには「ワープコアを暴走させてからくも危機を脱するシーンが撮りたかったから」以外の理由が無さそうだし、etc、etc)。CG ブラックホール出現シーンとか、いやーこういうの大好きですよー似合う似合わないでいったら ST には似合わないと思うんだけど、敢えてその枠を破るために限界に挑んでみせますよってかんじで見てて楽しかった。

ちょっと脚本力のチューニングが、必然力というよりは偶然力側に振ってあるという部分が(アクション SF 映画的ではあり同時に)ST 的ではない、という気はしていて、そこはおれの TOS はピンとこないまま TNG でファンになった世代側の問題意識なのかもしれないなと思った。わりあい適当に偶然のようにバラバラな進行をみせる状況が、じつは個々に選ばれた最善手の必然として集束していく、飛沫がしぶくような波打ち際のドラマではなく、沖合いで静かなうねりを見せる海面のようにダイナミックで精緻なドラマこそが、本シリーズにおいて見たいことで。諸要素のうちのぶん投げっぱ部分の、ほんとにこれぶん投げただけなんだろーなー、みたいな「裏打ちされた必然」の読み取れなさについては、…まあ BD 待ちってことでいいか。おれが読めてないだけで実際にはなにかあるのかもだし。

ベツモノ感でいうと、本作の世界においてはカークが全然モテキャラじゃないってのが笑った。スポックのほうがモテているというギャグ。観客のガイジンたちもそこいらでは笑っていた。あーガイジンといえば、おれが見たのは新宿バルト 9 だったんだけどガイジン客多かったねー。前の回でもおれが見た回でも 1/4 くらいはガイジンだったんじゃないだろうか。そもそも ST は SW と違って日本での認知度低いしな。でも「バットマン T シャツ着てポップコーンとコーラ持ってるガイジン」を生で見れたのは収穫だった。メリケン映画オタの正装じゃろあれは。