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電子書籍で紙の本がなくなるのか関連

紙のほうが便利なんだからなくなるわけねーだろ、という事情だけだとつまらんので。

  • 電子化されると、現代文明が崩壊したあとに後世のひとたちが我々を発見してくれなくなって困る、みたいな感情ってあると思うから、少部数は紙とかに刷って保管しておく的な流れは絶えないと思うんだよな。でなきゃ偉くなったひとが銅像立てたり、家のお墓を石で作ったりする慣習を説明できんというか。「プロコトルがわからんとアクセスできない情報は失伝リスクが上がる」という問題には、文字使った時点でだいぶ陥ってる気もするけど。「どう記録されているのか」「どう書いてあるのか」「書いてあるのが何か」みたいな、電子化では読解のための段階がひとつ増える。
  • 「科学が発達して、こんなふうに、一見して情報だとわからないようなもの(当時は 5 インチディスク)に封じ込めるようになるってことは、人間がまだそれが古代の情報だったのだと気付けていないストレージが、そこいらに無造作に転がってるのかもしれんなー」と昔思ったムー読者予備軍。
  • ブックオフや図書館が共同墓地扱いになるってのは、だから別に悪意的な認識ではなく、「ご興味があったらご自由に墓荒らししたってくださいよ」というスタンスで合理化できると思っている。文化の墓守とか文化の墓荒しとか、燃えるシチュエーションではないか。
  • 「一定期間で売れた本上位 100 冊が印刷され、あんま人気なかったものはデータだけ」みたいなのはアリかもな。本になるための順番というか、手順が変わってくるみたいな。映画と TV の関係とかはどうかな、TV 番組が人気になったら映画化、みたいな。

現実問題としてはー、あんまインターフェース屋が頑張りすぎると、「電子書籍電子書籍性を追求しよう」みたいな方向に盛り上がってしまい、つまり印刷できないインタラクティブ性や、メタデータの扱いの手厚さなどが発達して、本に印刷することがダウングレード扱いになってしまう電子書籍とかが今後出てくるのだろうから、なんとも。技術はそれがあるかぎり発達せざるをえず、どこまでを「本の電子版」の領域に留めておけるのか、あるいは別にとどまらなくていいのか、みたいなところが、むしろ電子出版関連で現在実質的に耳目を集めているポイントなのだろう。

いちおう、そもそもは、「インターネットみたいなかんじに漠然と広がりすぎると収拾つかなくなるので、一旦「本」というフォーマットの時点まで巻き戻して考えなおしましょう」みたいな気分として、現在の電子書籍ブームてのはあるんだろうから、単純に「これからはインタラクティブでマルチメディア(でオンデマンド)です」みたいな 90 年代マルチメディアブーム的にしょっぱい状況にはならないのだろうと希望的に妄想しているんだけども。21 世紀型の「コンテンツ」という単位に対する想像力が、どうデザインされるべきなのか、またデザインされた世界では、「コンテンツ」を取り巻く状況はどうなっていくのか。みたいな。

あとまあ、このての(技術的な)高度化って、インフラ整備の水準が高いからできるという話で、一方今後の日本てたぶん各種インフラがじわじわ破綻していく社会にもなっていったりするんだろうと思っているんだけど、情報通信インフラに関しては、あんま破綻しないものとして扱われる前提になってんだろうか。あるいは、所詮電子上のメディアなんざ一過性のモンだから、当座もてばよしということか。…あー、もうすでに本のインフラが破綻しかかってるのでリスク折込んでも電子出版に手を出さんとどうしようもありません、という話なのか。