最近の漫画 - ノーマーク爆牌党関連
8 巻 157 ページ、2 コマ目の鉄壁「はい」の一言で震える。おもしれー。アニメ→原作と「咲」も読んでるが、ノー爆のなんともいえない息苦しさのあとには集中力が続かない。コマにひきずりこまれるかんじがないとな。
ノー爆の連載は、用語「闘牌マンガ」が確立していく時期と重なっていたと思う。初期には牧歌的な雰囲気があるんだけど、後半は息詰まる読み合い探りあいぶつけ合いの連続。キャラクタやストーリーに寄り添うようにゲームを進行させるのではなく、麻雀のゲーム進行自体に物語が重なり合っていく、これだこれが闘牌だ的な圧巻のバトルといえるわけなんだが、ノー爆の場合それだけがキーというわけでもなくて、強くなりすぎた爆岡と、爆岡が操る謎すぎる必殺技「爆牌」の解明に物語が引きずられて、終盤はひたすら「ただそれだけ」を描くよう集束していく。爆岡は天才肌でよくわらなくて荒っぽくて結構ひとでなしで、そして麻雀が滅法強い若者として(キャラクタの人間味をもって)登場するが、最後には倒すべき(というより倒されるべき)ラスボス以外でなくなる。鉄壁にとって、というだけでなく、ストーリーそのもののラスボス、片山氏自身も爆岡をそのようにしか描けなくなっていたんではないか。筆走って引くに引けないところまで行ってしまったみたいな。それがまた異様な緊張感を生んで、おもしろい。
本作は(絵のシンプルさのわりに)ネームがかなり多い漫画なのだけど、強さが圧倒的になって以降の爆岡には台詞がほとんどない。最終巻とか、ルール上必要な発声と点数申告以外ほとんど喋ってないんじゃないか?…と気になったので、調べてみた。以下、9 巻の爆岡全台詞リスト。
ページ | コマ | 台詞 |
---|---|---|
17 | 2 | 「苦しい? なんで」 |
17 | 4 | 「八崎? ああ」「あの程度の勢いなら 茶柱でも止められる」 |
17 | 7 | 「声が大きい 聞こえるぜ」 |
17 | 8 | 「ま どっちにしろ」 |
18 | 1 | 「おまえの いい人は 今回も いいとこなしだ」 |
18 | 3 | 「次もその次も 永遠に俺様には 勝てねえぞ」 |
18 | 6 | 「破産を望む女ってのは 初めて見たぜ」 |
19 | 2 | 「弱い奴が 好きな女だ」 |
19 | 3 | 「ああ 変わってる」 |
19 | 4 | 「なんか また勝ちそうだな」 |
62 | 2 | 「リーチ」 |
67 | 5 | 「リーチ」 |
70 | 4 | 「リーチ」 |
72 | 3 | 「ツモ」 |
72 | 4 | 「1000 2000」 |
74 | 2 | 「リーチ」 |
76 | 4 | 「ロン」 |
77 | 5 | 「7700」 |
85 | 3 | 「ロン」 |
86 | 2 | 「18300」 |
96 | 1 | 「ロン」「8300」 |
98 | 3 | 「リーチ」 |
109 | 3 | 「リーチ」 |
113 | 6 | 「ロン」 |
114 | 5 | 「5200」 |
119 | 6 | 「リーチ」 |
120 | 3 | 「ロン 12000」 (※吹き出し外→)メンタンピンイーペーコードラドラ |
135 | 1 | 「リーチ」 |
152 | 1 | 「カン」 |
153 | 1 | 「リーチ」 |
159 | 4 | 「おまえは 忙しいな」 |
159 | 5 | 「24000」 |
161 | 2 | 「リーチ」 |
161 | 7 | 「3000 6000」 |
179 | 7 | 「リーチ」 |
184 | 2 | 「ロン」 |
185 | 1 | 「8000」 |
189 | 2 | 「リーチ」 |
192 | 1 | 「ロン」「18000」 |
249 | 1 | ※回想シーン 「流れなんて ないよ」 「見ろバカ みっともねえ」 「やっぱり おまえは そんなもんか」 「ツイてんのが おまえで よかったぜ」 |
最後のは回想だから新規の台詞ではない。爆岡と最後に言葉を交わしたのは九蓮宝燈美だったのかなーと漠然と記憶していたんだけど違って、なんと当大介への「おまえは 忙しいな」だったのか。
そして、鉄壁への台詞は一言もないのだ。濃密なディスコミュニケーション。