ACE COMBAT 6
ズルズルと薄味にプレイしては一旦保留を繰り返していたが、めでたく先日クリアした。おもしろかったのかというとー、ううむというかんじだが、一周したからもういいやという気分にならず、よっぽどひまがあったらもう一周するのも悪くないかなとも思えたので、それなりに良作ということになったかもしれない。けどここからもう一段おもしろさの水準が引き上がらないことには、やはり満足感には到達しないかんじだ。悪くないんだけど微妙。シリーズの方針が転換しないかぎり、この印象は今後もつきまとっていくと思う。
ヒリつこうにも戦場が広すぎ、キャラクタを味付けしようにもマップに対してユニットが小さすぎ、とかく空戦ゲーはむずかしいとしかいえないなーというかんじだ。ラスボスとか空中鯨みたいに非常識なサイズの敵を設定しないことには、せっかくの美麗グラフィック上にゲームゲームしたキャラクタ性が浮き上がってこない。じゃあ動きなのかというと、これががまた自由移動で止まれず速すぎる戦闘機の主観では演出範囲が限られ、そのへんで空戦の派手な煙跡は相当のがんばりポイントだなと認識を改めたりもしたが、どうにもなーいい距離感がつかめないのだよな。本当、戦場がもうちょっと限定されていて、交戦距離がもうちょっと近く、自機が対地攻撃ヘリで、くらいのほうがプレイヤの目にものをより多く濃密に見せられるんだろうけど、いかんせん AC はヘリゲーじゃなくて戦闘機ゲーなんだよな。突撃ファミコンウォーズは、まあ全然ジャンルが違うけど、見せる距離感が適切でうまかったなーと思ったりした。今回導入されている協力ミッションや援護要請のシステムは、シューティングとしての AC なりの、RTS 的な方面へのリーチであり、かつこれまでは単なる風景変化に過ぎなかった環境(戦場)へのプレイヤの干渉&リアクション要素だと思えるので、どうもそっちへ意識が寄ってしまう。すくなくとも今作において、それはほんの触りというか、まだゲームの基幹に関わるというほどのものではなく、各方面で苦戦している味方を奮い立たせてまわって手強い戦線に集中攻撃の号令をかけるさまは、戦闘群を率いる鳥のリーダーのようでいて、たぶんその先に醍醐味があるのだなーと予想できつつ、まだそれを味わうに至っていない。
また、そうした「集団のケツを持ったり先頭に立ったり」みたいなゲームプレイは、既定路線に「ほかはどうあれおれ一人は勝ち、その一点から戦局をひっくり返す」みたいな寡黙なヒロイズムを感じていたファンからすれば、違和感ポイントなのかもしれない。もちろん今作においても PC は台詞としては一言もしゃべらないが、台詞以上に饒舌に、戦場に干渉できるようになっているわけだしな。