DEAD SPACE
Chapter 5 に入った。だんだんシナリオの輪郭が明らかになってきたような気がするけど言語の壁が邪魔をしてよくわからないぜ。終わったあと攻略 Wiki(http://www1.atwiki.jp/deadspace/)の翻訳とか見て補完するか。
ところで BIO SHOCK 以降トレンドになっていくんだろう的なフィーチャーとしてボイスログがある。ゲーム世界のいろんなキャラクタが、それぞれの状況で吹き込んだ音声ログが、探検していくあちこちに落ちているというやつ。その現行例的な実装のはしりなんじゃないかなーと印象に残ってるのは DC 版の PSO なんだけど、あれはまだ音声じゃないという点で伝統的な PC ゲーの「ターミナルにアクセスしてテキストログゲットだぜ」方式とあんま変わらんともいえるか。テキストだったものが音声になったこと、というその部分こそがエポックで、音声だと感情表現や状況描写の幅も広がるし(声のトーンや周囲の音、独白 or 会話など)、それになんといってもテキストだとそれ読んでるときにゲームの進行が止まっちゃうところ、ボイスログは拾ったその場で聞きながら先に進むことができるので足止め感がない。あと「いろんな人物のログをバラ撒いとく」って手法も良かった(その点でも PSO のテキストログはまだまだ前時代だったといえる、というか PSO のログは「アクション要素主導の RPG としておざなりになりがちのストーリーに一本筋を通すため」のものだったけど、BIO SHOCK のログは「メインストーリーはしっかり描きつつ、それを補完するメディアとしてボイスログをバラ撒く」という使い方で、アプローチが違う)。これによって世界のいろんな時間・空間・立場から様々な方向に光を当てて、ストーリーが立体的に浮き上がってくるし、世界住人の(文字通り)息遣いが伝わるのでリアリティ材として有用。
DEAD SPACE はもちろんボイスログを大活用しており、いい具合に恐怖感を煽ったり細かい情報を付け加えたりしている。ボイスログだけでなく、場合によってはテキストログもあるし、さらには映像ログもある。これらは過去の情報だが、現在の情報、つまり映像&音声通信も当然あるわけで、ともかく手を変え品を換えて高密度な情報をプレイヤに浴びせかけ続ける。まあ一度にもらえる情報はそれほど多くはないわけだけど、退屈しないし、もっとよこせという気になるので、探索や前進のモチベーションも生まれる。
…というと、いいことづくめっぽいけど、そうでもなくて、やっぱボイスログ前提なかんじのゲームが増えてくると、さすがにもうおれのかんたん英語力程度では取り漏らす情報量が多くなりすぎるので、こういうものは字幕でもなく、ちゃんと日本語吹き替え音声版で遊びたくなってくる。けど無いわけなんだよね日本語版。まあ DEAD SPACE の場合はゴア表現の問題もあったにせよ、べつにこれ一本に限った話じゃなくて、西欧タイトルの情報密度は、オーディオについては前世代機からわりあい問題なし、今世代機に向けてしばらくはビジュアル面を拡充、そして近年は思考や文芸面の密度を徐々に上げてきつつあるので、そのようなタイトルを日本に持ってくる際には、いよいよローカライズ体制が十分でなければ厳しいという状況を迎えつつあると思うんだけど、わりと力尽きてないかどうも。世の中が。
(081102 追記)Twitter で notonobuharu 氏から、
- ボイスログの直系の元祖というとやっぱ SystemShock なのかな。1 は未プレイだけど FDD 版じゃなく CD 版は音声化済み。
- SystemShock 2 に関してはクオリティ的にも BioShock や Dead Space と変わり無いというかむしろ良く出来ているというかそのへん音声は技術進化の影響を受けづらいからなんだろうけど。
- 主人公が「すべて事の終わった後」を辿っていくという帰納法的なストーリーテリングを FPS に取り入れたのが SystemShock と Ken Levine の発明なんだろうけど、本当は低予算の PC ゲームでいっぱい登場人物が出てくる話を低コストで実現するための苦肉の策だったんだと思うな。
- ちなみにここで用いた「帰納法」は手塚治虫の『マンガの描き方』カッパブックス版に書いてあったことを小学生のときに読んでからずっと使ってるので間違ってたら手塚治虫に文句言ってください。
との指摘があったのでプペポするよ。