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AURA 感想その後

AURA はおもしろかったわけなんだけど(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20080803#p2)、おれがラノベ読者として「正しい客層」に着底できている実感を持っていないことと、あと田中ロミオ氏がエロゲーシナリオ出身のひとであることを考慮すれば、多分おれが知らない各種の読み筋のうえでだけ意味があることなどが書かれていた(と少なくともロミオオタのひとたちは確信している)のであろうことを考えると、自分がどう思ったかだけでなく、ひとがどう読んだのかに興味が湧いてくるわけなのだった。

で、はてなキーワードとか Google 検索とかでラノベ関連のエントリをざーっと漁ってみたのだけど、どうも外れた感想だったっぽいなー。ポイントが違う。インターネットによる感想の即時調整機能、つまり空気を前提としたラノベ感想文化圏。べつに本読んで自然とひとと同じ感想になる必要はないと思うけど、ラノベの場合にはファンコミュニティにおける「ひとと同じ感想を共有する」という消費行動も外部から見ているぶんにおもしろいわけだから、本自体だけでなくそこも読めないと「ラノベを読む」という行為の習得としては片手落ちだ。おれの検索力で捕捉できるクラスタが狭いってことなのか。とはいっても、ほかであてがあるのは SF とかミステリ界隈とかになって、あのへんは下手すると本より感想のほうが難しいこと書いてあったりするしなー。敷居が。

  • AURA は邪気眼を扱っているけど中二病は扱っていないだろう。いや語義ブレはあるから邪気眼中二病が混同されている界隈もあるってかんじか。うーん、たとえるなら「やおいとゲイを混同」みたいなかんじ…か?
  • ところで先日自分の本名で検索したら、ものすごい厨設定のオリキャラの名前に使われていた。お、おれの右手の甲に封印された邪竜の力が暴走する…!
    • AURA に「クラスに平凡な名前が多い」という描写があったけど、ちょっとへんな名前だと漫画っぽいとか言われるので、逆に邪気眼妄想とかがスポイルされるのかもしれないなと思った。珍名だと「名前のわりに地味ですいませんね」的な入り方をしやすい。
  • C 氏の Ust で「ドメインウォーズなのです」みたいな話をしてもらった。おれ用語でいうと「世界観闘争」だな。なるほどそう考えるとしっくりきた。あと、田中ロミオ氏がエロゲーシナリオライター出身であることの意味とかをちょっと考えたりした。というのは、ギャルゲー開発関連妄想(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20050408#p1)のあたりで考えていた、「固定のキャラクタに対してもう一方のキャラクタが最適化していくデザイン」でなく「両方(あるいはマルチ)のキャラクタが相互に影響を与えて全体が変容していくデザイン」へのアプローチが、こういう場面において為されているわけかと腑に落ちたから。

これ要するに「ニュースとかコラムとかで、ぱどタウンとかモバゲーとかキャズムの向こう側のコミュニティがどうなってんのか仕組みは一応知っている」の状態はクリアできたけど「じゃあ実際自分が一ユーザとしてそのてのコミュニティに馴染む」の状態まで行けるかっていうとそれは無理だった、みたいな挫折に似ていて、まあできると思ってはいないけどやっぱむずかしさに実際に立ち塞がられるとしょげるよねー、みたいな気分。ラノベとかたくさん読んでる系の何人かのひとから「(一応)その読みもアリだよ!」と言ってもらったので、まあ着地点としてはよしとしておこう。