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最近の読書 - 祝・文庫版北方水滸伝完結

終わっ…た!なんとなく敗戦の気配など漂いつつも、どうするどうなる梁山泊っていう雰囲気のまま突入した怒涛の十九巻、状況が整理されたりするステップのありやと思ったらない。激闘に次ぐ激闘に次ぐ激闘。しかし強い強すぎる童貫。まったくその首に手が届かないわけでもない、というところまでは追い上げるもそれだけに遠く強い。相手がうまいとかこっちが死にすぎるとかそういうことではなくただただ戦い尽くして徐々に追い詰められてゆく。勿体無く潰えてゆくものもあるし相応しく死んでいくものもあるけど消耗戦になって勝つのは大軍側。うわーそこまでいくのかー、と予感するのと同時に現実が押し寄せてきて、戦の勝敗は一瞬、というその速度で描かれるのがこの十九巻だったかと思い至る。これはつまり、滅びのスピードなのだ。

様々なものが崩れていくなかで描かれるべきであったろう諸々が色褪せ土塊のように剥がれ落ち、物語は隆起するひとつの運命へと収束していく。これか。これを描いて水滸伝は終わるのか。ならば北方氏は責任を取らねばなるまいし、ファンは見届けねばならないな。

とてもおもしろかった。あと「替天行道 ―北方水滸伝読本」もついでに買ったのだけど、これはなー、余韻に浸るという意味では、しばらく読まないほうがいいのかもわからんなと、ちょっと思っている。