360°虹釜太郎 presents 「5H ばるぼら編」に参加
今週末は OFF 会かーと思いつつ煙草吸ってたら「今日ばるぼら氏のイベント(なにやるのか不明)が高円寺であるらしい」という情報を入手したお昼過ぎ。おもしろい可能性があるので行ったものかどうしたものか、ばるぼら氏はおれの脳内エンサイクロペディアによれば「おもしろそうなひとなんだけど、なにせ氏はサブカルとインターネットで有名なひとであるから、おれにはあんま関係がなさそうなひとだなとなり、関係がないところに筋合いを作ってもあんま楽しいことにはならないので(自然体でいたいなら不自然なことをやらないことである)、たまたま筋合いが合致したときなどに話聞いてみたくはあるけどその機会はあるかないかだなーというかんじのひと」なのだが、トークライブ的なものを傍聴する、くらいのかんじなら結構いい具合かもわからん。と思ったので行ってみることにした。やーしかしやっぱおれオタクだからサブカルの巣窟は敷居高いなーと思って直前で会場入るかどうか迷った。
「円盤」は、ちょっと狭めのイベントスペースという雰囲気だった。会費の 1,000 円を払ってワンドリンクを貰う。五時間のイベントだというのに安い。ドリンク代差し引くと一時間あたり缶ジュース一本分くらいか。ただ、会場が狭いうえにひとが多かったので延々立ち見。その前日徹夜だったこともあって腰が痛くなった。けど結果としてはやたらおもしろかった。似たようなイベントがあればまた行きたい。
- ノイズの歴史みたいな話の途中から会場に入った。
- imoutoid とか DE DE MOUSE とかがいいらしいよという話。
- それぞれ単品で聴くぶんには「ああ、○○だね」と言うこともできるが、それらが出てきた流れや立ち位置を考えると、そう単純ではないよ話。
- 個人的には imoutoid の曲がおもしろかったのであとで聴くことにする。
- アンダーグラウンド音楽は既存の経路とネットの経路があるよ話。
- CD になりづらい音楽は、ディスク紹介雑誌などではなかなか取り上げられないので、音楽じゃなくてカルチャー雑誌みたいなところから伝播していくしかないのかもしれないね話。
- ナードコアの話
- キャッチーなネタで入門の敷居を下げるのはいろんなひと(時代をまたいでいくつか例示されたが忘れた)がやってるし、それ自体悪いものではないよ話。
- テクノの話
- テクノには大きく三つの流れがあるよ話。どういう三つだったかは忘れた。
- ユーロビートの話
- ユーロビートには日本の心があるよ話。まあ A A' B A" みたいな話。
- 小室哲哉氏の話
- 我々はこのまま小室哲哉氏を評価しないままでいるわけにはいかないよ話。
- 小室哲哉氏はヒット曲で様々な実験をしてきたよ話。
- 小室哲哉氏楽曲のカラオケ最適化の歴史。むかしの曲は前奏間奏後奏がクソ長くて(このへん、TM 好きのひととかとカラオケに行くと誰でも実感することだろう)、息継ぎタイミングがないためおそらくライブでは歌えなかったような曲とかもあり、カラオケには不向きだった。そういった曲風がプロデューサー期に段階的に改善されていく。素人でも歌えるよう音域は狭く(これはアイドル&声優ソングなどでオタクにも馴染み深い感覚だ)。「サビの前に四拍置くと歌いやすい」の発明など。
- 小室哲哉氏のヒット曲の方程式が完成していくにつれ、その方程式どおりに作れば誰が作っても小室哲哉氏の音楽になるようになったよ。でも小室方程式はアップデートされるのである時点に固定すると旧式化するよ話。
- 小室哲哉氏のシャウトに向かない声質が、氏の音楽の方向性に影響しているのかもしれないよ話。
- 初音ミクの話
- 電波ソングの話
- このへん漫画よんでて聞き漏らした。フリッパーズ解散がどうのとかいってた。
- MERZBOW をかけてばるぼら氏がトイレ休憩に。おれもたばこ休憩に会場脱出。
- 会場に戻ったら即興音楽の話になってた。なんか NHK の音響研究所に居たひとがどうのこうのとか。ノイズの話のように、かなり古くからごく新しいところまでを一気に語っていた。最近 15,6 年からこっちとか、わりと最近の(オタにも関係ありそうな)音楽の話が続いていたので、またノリが変わる。第三部といったかんじか。
- 世界のサブカルチャー音楽に?わからん。
- 用語「ちょいケル」らへんにちょっとかすっているような界隈の話。こちらもナードコア同様「いやこの手法はアリだよ」という語り口。
- なんかまたむずかしい話に。
- ほとんどというより一切わからない世界の話になってきた。
- このひと単に「おれはこんなレア盤もってるぜー」て自慢したいだけちゃうんか?
- まとめに入った。「五時間あったけど話そうとしたことを全然しゃべってない」とのこと。
- さいごは「CLANNAD」の ED で〆、だったらしい(おれは CLANNAD やったこと&見たことないのでわからん)。
- じつはばるぼら氏も千円払ってるというオチ。
感想。
- オタにもわかるジャンルの話が結構多くて助かった。あるいはラッキーだったのかもしれない。喋り方としては、(当然)オタ向けにではなく、サブカルのひと向けに「音楽ファンを自認するうえではこういう音楽も避けなくていいんじゃないの?」というような感触で紹介されていたかんじだった。小室哲哉氏についての話なども同じ。
- オタにもわかる音楽はありつつ、ゲーム音楽についてはほぼ触れていなかったかと思って、そこがちょっと気になったりした。…ああ、たとえば電波ソングの話のとき出た「巫女みこナース 愛のテーマ」てエロゲーの歌だからあれはゲーム関係あるってことになるのか(柏木るざりん氏は「超連射 68k」の BGM を作ったひととしても有名なんだしね!)。いやでも当たり判定のないゲームはさー。人文系のひとが散々ぱらエロゲーのみをもってゲームを語ったりしているんだから、そうでない我々は当座 ADV と RPG はゲームじゃないっていう方向で行っといてもそれほどバランス悪くならんだろう的なセクト意識とかが。いやでも「そういうものも避けなくていいんじゃないの?」という態度が今日のばるぼら氏の話のひとつだったんだから、今そこ書いても仕方ないな。
- まあゲーム音楽は音楽ファンからみればわりと枯れたところの数番煎じばかりをやっているんであろうから、そこから特になにか文脈だのなんだのが今回の話にはあまり絡んでこなかった、ということなのかもしれない。だいいち、ゲーム音楽はほかの音楽と違って「音楽専業者ではあるけど同時にサラリーマンでもある」的な立場のひとたちが主に作っているという事情があって、フリーっぽい世の中とはまたちょっと雰囲気違うんだよな。
- たまに曲を聴かせるため沈黙している時間はあったけど、ほとんどずっと一人で喋りっぱなしだったことを考えると、ばるぼら氏の喋りスキルは相当高いなーと思った。ネットラジオですら一人語りは無茶苦茶疲れるのに、沈黙しているギャラリーと対面形式のトークイベントを五時間て。おれはおれで立ちっぱなしで腰が痛かったけど、それと比べても体力精神両面で喋りつづけているほうがきついだろう。修行みたいなかんじだろうか。
ほかのひとの感想。
- ex:ばるぼらさんの5時間。@円盤