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エロゲー界隈近況についてのメモ

旅行 | 080103

ひとくちにゲームといっても多様だから個別の最先端間に距離がありすぎて、ゲーオタ同士でもたとえばコンシューマオタとかゲーセンオタとか PC オタとかで全然言語系が違ったりする。当然コンシューマは据え置き機・携帯機、さらに携帯電話ゲーや Play TV などに細分化されるし、ゲーセンもメダルゲーにカードゲーにコインゲーにいろいろあれば一方でパチンコパチスロとかがあったり、PC といってみても MMO とかエロゲーとか FPS とか RTS とかファルコムゲーとかツクール界隈とかフリーゲームに同人ゲーと、なんでもありだったりとかする。ようはてんでバラバラキューピッドであり「ネットは広大だわ」で済ませておくのが簡単なんだけど、一応それならそれなりに大雑把なガイドマップくらいは欲しいと思うわけなので、とりあえずおれのあまりブロードバンドとはいえない情報系から、まず PC エロゲー界隈について見聞きした情報をざっと整理…するのは無理なので、とりあえずおもいついた順に書き並べ。同人やダウンロード商売については不透明な部分が多いので、一応商業パッケージ視点から、ということになるか。

  • オタ界隈で一昔前だと「一応エロゲー方面も押さえとかないと、時代感の見渡しが悪そうだなー」みたいな気分があった。トレンドの先端が占われる土俵感というか。現在それは、大雑把にいうとエロゲーからラノベに移っていて、オタ界隈におけるエロゲー界隈の影響力は、退潮し終わったといっていいと思う。じゃあ今はラノベなのかというと、あっちはあっちでなんか煮詰まってるかんじなのであまり幸福そうには見えなかったりして複雑。あとラノベの前がエロゲーっていう話でいうと、エロゲーの前はなんだったんだという話になるが、…格ゲー、とかになるのかなあ。
  • 業界規模もおそらくは 3,4(4,5?)年前が最高で、そこから縮小…しているのかどうかはよくわからないが、バブリーになんでこんないっぱい有象無象がひしめいているのかわからん、という状況ではなくなっている。
  • ブーム退潮以降開発規模の拡大路線は頭打ちになり、大作をじっくり作ることのできる少数の有力ブランドを除いて、パフォーマンスと機動力で勝負する時代になっている。往年にはゲームエンジン開発競争の兆しもなくはなかったのだが、全体の裾野の拡大やコンテンツ品質の底上げにつなげるには業界の体力が乏しかった&ファンの気分がそっちを向いていなかったというかんじか。
  • 現在エロゲー界隈は「商業パッケージ(PC ショップ)」「同人パッケージ(即売会&同人ショップ)」「ダウンロード販売(ネットショップ)」の三本柱で成り立っている。中小以下では商業と同人の垣根はほぼなくなったといってよく、販路の違いの問題でしかない。それでいうとエロゲー業界というのはもともと流通主導の世界なわけだから、結局どこまでいっても販路の話にしかならないのかもしれない。
  • 同人&ダウンロード販売は、どちらもこれから規模拡大する流れではあったが、さらに商業の開発規模縮小と機動力商売への流れにもうまく食い込んだ形になった。商業パッケージ販売に対しては、低価格路線で共通している。商業ソフトの開発が小規模化すれば、ジャンル細分(専門)化と機動力で同人は拮抗できるし、価格においてもコスト計算で無茶の利く同人のほうが有利ということになり、残りは品質という話になるが、これもスタッフの垣根が曖昧になって久しいので上澄み部分に関していえば差はほとんどない。ダウンロード販売には商業・同人・半商業半同人なんでもありだが、基本的に高額商品はなく、商業旧作のディスカウントや安価な新作同人などで商業エロゲー市価の 1/3 以下が一般的。単品売りでなく月定額会員料で DL し放題というコース設定などもあり、特にネットは顧客つなぎ止めがむずかしい&それさえできればハッピーというあたりの地勢差かなと思う。
  • ジャンル・シチュエーションの軽量バラ売りで価格水準を引き下げる同人に対して、一般に新品 9,000 円近い商業エロゲーパッケージの立場は大変苦しくなった。機動力で対抗とはいっても値段なりの素材数を準備するのに落とせる手間には限度がある。エロゲーなんだからエロさで勝負といっても、嗜好細分化とトレンドの移り変わりの速さは容赦なく、鮮度において対抗しつづけるのもむずかしい。価格を落として短期間・少リソースの同人に近い開発体制に対応するやりかたもあるが、同人ほどには流通コストを落としづらい事情もあって、十分とはいえない。ようは、「単にエロさだけでいったら同人のほうが有利」「単に安さだけでいったら同人のほうが有利」ということで、えーとそれって商業エロゲーに勝ち目あるの?という話に。
  • 往年に「純愛系 vs 鬼畜系」みたいな対立構図があって、エロゲーはエロくなくちゃダメなんだいや現在のエロゲーシーンはエロさだけじゃないんだ的な論争とかが戦われていたんだけど、その論争は結局、業界全体が時代の大波をかぶっちゃったのでいまさら商業の中だけで純愛だ鬼畜だ言ってても仕方ありません、というかんじの痛み分けに終わったんではないかと思う。鬼畜系はわかりやすいエロをバラ売りするという商売だから、機動力が生きる。同人の機動力に打ち勝てるくらい極端なド鬼畜路線でも開発しないことには商業で対抗するのは困難だし、細分化・先鋭化しすぎると、これまた同人の得意分野になる。また純愛系はどうなのかといえば、これも顧客入れ替わりや同人発のトレンドの変遷もあって往年ほどの活力を失っていった。だから、現在の商業エロゲーの主流は「単にエロいだけじゃダメ」の「単にエロいだけ以外の方向性」の開発が主流ということになっているのだろうと推測される。具体的には純愛とか新伝奇とか活劇的ななにかとかになるんだろうけど。
  • なんだろな、単なるエロコンテンツとしては同人なりダウンロード販売なりの価格帯でいいというかんじになっているので、8,800 円の商業パッケージとしてはそれなりに高級感やボリューム感、あとブランド感とか付加価値で勝負していく、という手堅めの話かもしれない。それがない商業ブランドは淘汰されてしまうと。
  • 開発費の高騰から単品で売っても赤字になるようなタイトルを、CD 版→付加価値をつけた DVD リニューアル版と段階的に売ったり、また全年齢版を売ってから改めて 18 禁版を売るとか、逆に PC で 18 禁で売ったあと家庭用機に全年齢版を移植したり、またファンディスクを出して同じタイトルを長く売ったり、リソース活用して販売機会を増やすことで回収するというようなやりかたは色々あるが(もちろん旧作パッケージをディスカウントしてダウンロード販売に回すというのも方法のひとつだ)、これはブランド力が強かったり、買い支えてくれる根強いファンがついてるようなところでないと、そう美味しい話にはならなさげ。
  • そのほか雑多のトピックとしてはー、むかし「エロ ADV に選択肢は全部で 6 つあれば十分なんだよ理論」とかの話があったと思うけど、あれも選択肢いっこもない同人タイトル「ひぐらしのなく頃に」のヒットにより議論としては無効になった。事実上でも、付加価値勝負化してゆく現在の商業パッケージではこの理論は適用しづらい状況になっているかと思う。そのへんでいうと、現在あるとすれば「同人エロ ADV に選択肢は全部で 6 つあれば十分なんだよ理論」とかなら、ギリギリ有効、か?
  • 雑多トピックその 2 としては、「結局そのタイトルのヒットを誰が決定付けているのか」問題とかがあるか。エロゲーが何の魅力で売れるのかといえばやはりなんといってもそれは絵の魅力だから、いい原画スタッフを抱えるのは前提として、それより重要なのはいい塗りスタッフを確保することだとは言われて久しい。これに加えて、シナリオ担当者が大事なのは当然として、スクリプト担当者のクオリティも相当大事だ的なことがいわれている。まあ根っこを辿れば特に新しいトピックというわけでもなく、なんでもそうだがそのタイトルのおもしろさを最終的に決定するのは最終的な実装担当者だという、あたりまえの話ではある。家庭用機のアクションはどんなに立派な企画や美麗な絵やかっこいいモーションやハマってる音楽がついても、結局最後にプログラマがいい仕事しないとおもしろくならないし、エロゲーの原画はどんなにうまくても結局時代感覚に鋭敏な塗りのひとに色をつけてもらわないとエロくならないし、エロゲーのシナリオに最先端の活力が吹き込まれるか否かは、最終的に文章をゲームエンジンに組み込むスクリプタのセンスに掛かっている。だから、仕事論的な部分については原画やシナリオのひとの話がおもしろいんだろうけど、シーンの実感については、たぶん塗りやスクリプトのひとのほうがおもしろい話ができるんじゃないのかなーとは思っている。勢いのある会社は、大概センスのあるスクリプタを抱えているものだし。

とかなんとか。とかなんとか。後日改めてまとめようと試みてみたい。