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きゅうり混入

おれが嫌いなものは世の中にいっぱいあるが、その中でも特に嫌いなもののひとつがきゅうり。物心つくまえはべつに嫌いな野菜ではなかった。でも小学校中学年以降は明確に嫌いになった。なにしろあれは匂いが悪い。味も悪い。こう書いていると山岡士郎あたりが一瞬だけしゃしゃり出てきて「本物のきゅうりってやつを見せてやる、じゃ一週間後に」とか言ってすぐさま消えそうだが、東京育ちの味覚の野蛮人が田舎モンをなめるなという話だ。おれが本物のきゅうりを食ったことがないとでもいうのか。そういうのはひととおり食った。あれは確かにまずい食い物ではない。だがおれに対してそれが安定供給されていたのは少年時代の黄金のような時間、両親の人生模様に関心を持つこともなく騒々しく遊びまわっていたあの頃は、確かにおれにとって黄金にも値する時間といってよかろうが、まあそれは脱線だから置いて、とにかくにもあの頃に限った話だ。いまはあの頃ではない。いまのおれにどうやってその本物とやらを食えというのか。どこにその本物とやらがある。おれがきゅうりに対して支払ってもよいと判断するコスト以下で提供されているか。違うだろう。ならば本物とやらの出番ではない。というよりも、現場主義・体験主義において、体験可能性のないものなどは偽物でしかない。惑うのは体験がないからだ。おれのペースではない。順番が逆だ。貴様らの安い世界観闘争に付き合ってるほどこちとらは暇じゃない。毎月毎日新しいゲームがリリースされ、そして放っておけば積みゲーは山となり崖となり壁となり、いずれ来る大震災の日に雪崩となっておれに襲い掛かるだろう。本物病患者はオーストラリアにでも移住していろ(関係ないが「「本格」とか「本物」とかいうコピーで売れる安物だから、缶コーヒーはオヤジの飲み物」という L さんの着眼は確かだと思った)。おれの脳内に貴様ごときの居場所はない。まあ山岡はどうでもいいとして、なんだか字数も嵩んで来たのでクールダウンついでに十歩くらい譲ることにして、きゅうりのあの歯ごたえだけはまあよしとしよう。風邪ひいてて味覚と嗅覚がいかれているときなら耐えられる。逆にいうと健康なときはダメだ。おれにとって健康ときゅうりは同居できない存在である。きゅうりと健康どっちが大事かはいうまでもない。ポテトサラダなどきゅうりさえなければ極上の存在だが、歯ごたえを得たいがためだけに忌まわしいアレを無分別に混入する輩が絶えず不快。給食のハンバーグに混入されるグリンピースのような言い訳がましさ。善意という名を借りたグロテスクさ。退屈以下の毒々しい凡庸さ。おれがコンビニでサンドイッチ買うとき成分表示を必ず確認するのは、そのサンドイッチにきゅうりが混入していないかどうか危惧するからだが、今日買ったきゅうりにサンドイッチが入っていた。間違えた。サンドイッチにきゅうりだ。混入していた。思い出しただけで順番を間違えるほどのショック。感触があった瞬間ほとんど火傷に反応したようなスピードで包装をひっ掴んで成分表示を確認したが、ちゃんと記載されていた。見落としだおれの。サンドイッチの製造工程にミスはなかった。設計段階でその愛すべきサンドイッチに、よりにもよってきゅうりを混入するというその罪と、危険性が正しく表示されているのにも拘らずそれを見落としたおれのミスだ。自業自得。おかげで朝からずっと気分がよくない。断じて風邪のせいではない。風邪なら、きゅうりの毒はそれほど強くない。