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和風 Wizardry 純情派

ようやく林亮介「和風 Wizardry 純情派」を読みはじめた。キャラクタが多いので最初戸惑うが、多少前後しつつおもしろく読んでいる。同人というか自費出版の本。これ買ったの 2004 年の文学フリマhttp://d.hatena.ne.jp/matakimika/20041115#p1)だったから、一年半ほどは積んでいた計算になるか。その間何度かひとに貸した。読もう読もうと思いつつ意外に手が伸びなかった。「ちょっと読みたいかな」程度なら web で済んでしまうという部分も大きい。本で読むなら、最初から最後までを通して読み切ることになるわけだが、その弾みがなかなかつかなかったということだ。気づいてなかったがけっこうなザ・ビッグバトルだったかもしれない。たぶんビッグバトル化した最大の理由は綴じられた本のノドの部分の余白をちょっと狭いと感じたか、でなかったら本を快適に読むため十分な角度までひらこうとすると紙にけっこう圧力をかけなければいけない気がしたか、そんな部分だ。読み始めてみて、実際に商業の新書と比べて若干読みづらい気もした。けどまあ気になるほどではない。

「和風 Wizardry 純情派」は、おれの知る限りはじめての「はてなダイアリ上で展開された本格的な web 小説」であり、はじめて実際に(自費出版だが)本になったはてダ発の創作日記ということになるか。おれが文学フリマでこの本(上下巻)を買う気になったのは、大雑把にいえば「あー、はてダでへんなことやってるひとの本」「そういえば最近、隣り合わせの灰と青春分を吸引していない」「relative な web 小説が fixed な本に固着されたときの印象差はどんな具合か」みたいな三つくらいの理由の合計が財布のひもをゆるめてよいという判断にむずびついたからだった。最近商業で連載漫画化もされているようだ(コミック REX 連載「迷宮街輪舞曲」)。同じ出版社から原作小説の商業出版の話もあったようだが、こちらはナシになったらしい。

日記に作品が全部載っているし、PDF 版も公開されているので、本を買わなくても全部読める(加筆修正分とかあるかもだけど)。本作は、はてダのカテゴリ機能を活用しているので(http://d.hatena.ne.jp/WizDiary/archive)、はてダ上で読む際のポイントは「人物や場所、その組み合わせ等で物語を抽出表示できる」ことだろう。ゲームでもなく本でもなく、といったかんじの独特の「web 小説」感が味わえる。本を買って読むポイントとしては「検索性は落ちるが、携帯性・可読性の高いメディアで読める」「書いたひとに金を支払える」のふたつ。あとなにしろ登場人物数の多い話なので、xls 形式で公開されている人物リストも参考にしたい。pdf と xls といえば、どちらも PDA やいまどきの電話以外の機能が強力な携帯電話とかなら読めそうな形式だから、持ち歩いて読みたいひとはそっちをダウンロードして持ち運びデバイスに入れておけば当分移動中退屈しないかもしれない。というか、おれがもし W-ZERO3 を買っていたら、「ひぐらしのなく頃に」のインストールテストをする前にまずそれを試しただろう。