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黒川ケンキチ画文集 長い旅の記録

長い旅の記録

同人サークル randam_butter の同人誌「黒川ケンキチ画文集 長い旅の記録」(http://randambutter.blog.shinobi.jp/Entry/98/)を読んだ。萌え絵とアウトサイダーアートの中間にある砂丘のうえに微かに残った足跡を辿る旅、それがこの本だ。黒川氏の描いたイラストと黒川氏ファンのひとの文章やイラストが 1:1 で並べて収録されている。おもしろかった。randam_butter はその活動を確かにゼロから 1 へ 1 のうえに 1 を積んで発展させているように思えるのだが、それが路線拡張とかでなく「どんどん本の制作難度を上げていく」という方向へ向っているのが不思議だ。いまどきふつう同人サークルはそっちのほうには行かない。あと黒川氏は路線名をちゃんと書くのが好きだ。なんかアメリカ人が車を「〇〇年式のフォード」と書くのが好きなように、黒川さんは「南武線」と書く。かといって鉄ちゃんとかではなさそう。なにかがあるのだろうか。新海誠氏作品における埼京線から小田急線への変遷過程みたいなこととかを連想しかけたけど、あんま関係なさそうだ。文化密林と都市的荒廃の調和した、ソヴィエトと萌えコンテンツの堆層のうえで ANA フィギュアを乱雑に組み立てながら「どうせ人間いつか死ぬじゃないですか」と言った、氏の顔が忘れられない。表情があるような、ないような。生命力を漂白された押井守氏作品の住人のように。

あと「長い旅の記録」とかいうとまるで黒川さん死んじゃったのではないかという感覚になるけど、べつにふつうに生きてるので。死んでないので。そのへんは。