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ココニイルコト

ワールドカップ中継はおらんかえー、というかんじで深夜の TV をザッピングしていたが見当たらなかったところ、なんだか眠そうな邦画がはじまったので「ああこりゃ疲れた脳にいいかも」と軽く見流しはじめ、それからしばらくしてタイトルが出たらそれがまた「ココニイルコト」で、ぎゃー全カタカナタイトルきたー 00 年代序盤の映画だよなこれたぶんソラノカケラソラノカケラ(→http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD32637/ 2001 年公開だった)、等の想いを新たにして、心もち居住まいを正して見た。おもしろかった。おもしろかったというか、あんまりおもしろくなかったんだけど、映画におもしろさとかって実はそんな言うほど要らんと思うんですよっていうかなんでもほどほどがええんとちゃいますか的な、おれの知ってる時代の邦画の邦画っぽいタッチでいながら中身は徹底的に骨細の仕上がりになってるあたりが結構心地よかったかんじというか、居心地悪かったかんじというか、なんというか。ちょっと話ズレるんだけど特撮オタが最初に触れる「邦画の邦画っぽい雰囲気」ってたぶん「ゴジラ映画じゃなくてモスラ映画のほうにあるあの独特に湿度感」だと思うんだけど、あれの本流のほうの末裔にあるような小品感。じめっとした構造に対して基調は相当(ほとんど少女漫画的といってもよいレベルで)ふわふわしており、和菓子とかを映画にするとこんなかんじだろうかなと思った。米とか豆とか使ってるんだけどごはんのようではまったくないという。おれはまあ見てのとおりのくたびれたおっさんなのでこのての映画に衝き動かされるなにかとかは持ち合わせてないんだけど、おれ以外の誰かの疲れきった脳髄とかには染みそうなかんじがする。雑な書き方するとピュアーじゃないのでピュアーになれないんだけどそういうのも悪くないんだよ!的なキャリアウィミンのひととか。そういうのはよくも悪くもないので、ということは世の中のもので、邦画の引きずっている伝統にも、それはそれなりの由緒があるものなんだなと思えた。あと枝葉の部分だけど作中の主要キャラクタの一人であるところの営業マンのひとの人間に対するケアっぷりはすごいな代理店営業かくあるべしってやつかなと思った。まあ多少すごすぎるきらいがあるというか、超能力じみてるんだけど、そこはふわふわした話なので、べつに。

あと邦画の眠さ関連でいえば、例によってクリント・イーストウッド氏が大事にしているという、あのなんだか異常に眠い「ふるきよきアメリカの雰囲気」みたいなものに対する好感とか批判とかそういうのを連想したりした。おれはあのよくわからない眠い雰囲気が結構嫌いではなく、しかし良いものだとも特に思っていない。今回感じた「このおれが特に好きではないなにかは、べつに嫌いじゃないなあ」という感覚に近く、より身近だ。邦画だしなそれは。おれにもそこに含まれるレンジが当然あるはずなので、あの一様な眠さには、見込んでいけば好きになれるだけの奥行きがありそうだ。