matakimika@hatenadiary.jp

WELCOME TO MY HOME PAGE(Fake) ! LINK FREE ! Sorry, Japanese only. 私のホームページへようこそ!

機械 vs 人類 2006

池袋 | 060621

時間のことを時間と説明する方法を発明したのは人類だが、それを人類間の合意に利用しようとしてしまったため、人類は時間に従属することになった。現代において時間の代理人は時計であり、大概の時計は機械であるから、人類の多くは一面において機械に支配される日常を余儀なくされている。スカイネットが地球を覆うまでもなく、人々は毎朝目覚まし時計によって安眠を妨げられることを受け容れている。時間、時計に囚われずに済むというのは、だから現代においては贅沢とされている。予定のない休暇、時計を気にしなくてよい日曜日。ひとを待たせてよい側は、待たされても仕方の無い側よりも優位にある。

人類社会における当事者、つまり人類の間だけではクリアな合意を得るのが面倒だから、第三者を立ててそいつに判定させて皆が納得する、というのがこの場合の機械に割り当てられた意義だ。時計は時間そのものではないが、だいたいの場合について「すくなくとも当事者よりは公正な立場である」と信じられている(というか信頼性を前提にしている)。機械にはそれ以外の役割もあるが、しかし「そういう役割もある」ことによって、なんとなく「それ以外の役割の」機械に対しても「こいつはおれより正しいかもしれない」と考えがちなのがボンクラ。遠慮というか。正義の優先度というか。書き出せば悉く筋合いの飛躍している様々の奴隷根性。

そういったことを考えさせられる状況のひとつが、エレベータの待ち時間だ。なんでエレベータを待っているかといえば、もちろんまだエレベータがおれの居るフロアに到着していないからだ。機械に合わせている感覚。時計の運行に人間が合わせるのは正しい。けどもエレベータの運行に合わせるのはどうだ。正しいのか。いろいろ考えられる。目的フロアへの到着時間やおれのカロリー消費でいえば待つほうが正しいといえるし、温暖化してゆく地球のエコやおれの健康のことなどを考えれば階段使えといえる。しかしそのような個別の「正しい」や「正しくない」の根拠はバラバラで、筋合いは噛み合わない。けども最終的に待つべきか待たざるべきかの二択に合流してくるので無関係ともいえない。ややこしい。ただひとついえることは、このビルのエレベータの運行プログラムは相当にアホだということだ。まったく融通がきかない。洗練されていない。おれがこの The Tower のオーナーに就任したら真っ先にエレベータ運行の最適化に着手する。まあ現実にはそんな手軽にチョイチョイいじれるようなものではないんだろう。生まれたものが現在に至るまでにはそれなりの経緯があり、なにかが変わらないのには相応の理由があるものだ。

脱線した。実際にはエレベータの待ち時間は正しくないが致し方ないということが書きたかった。エレベータを待つ状況ではエレベータ側の都合に人間が合わせており、エレベータにスケジュールはあるものの時間の代理人としての役割はないので、人間側がそれに合わせるべき道理はなく、ダメシチュエーションだが、ダメだからといって無制限に解消されるべきではない。エレベータは空間もエネルギーも有限の中で最高効率を目指して設計され調整されるべきものであり、その運用が最高にうまくいった場合、それは「最高の妥協点」と理解されるべきものだろう。貧困すぎてはいけないし、富豪すぎれば無駄だ。

というか実際には、エレベータの到着が遅い状況は「篭の待機フロア設定が適当」「篭同士の連携が雑」以外に「ほかのフロアに居る人類が篭をリクエストした結果」等にも起因しているわけだろうから単純ではない。結局当事者(人類)間の事情に機械がはさまってるだけという理解になるか。いやエレベータ側にも事情が存在しているわけなので、この場合はエレベータ自体も当事者となるか。そういった事情をなるべく除去していった結果の公正性が、時計として結実しているわけか。最初になに考えてたのかわからなくなったのでこのへんでやめる。

  • エレベータは無人運行、リクエストの混雑状況次第。
  • エスカレータは無人運行で混雑状況でもストレスが少ない。でも乗る手前で渋滞したりはするか。あと移動は遅い。時間帯ごとの混雑状況に対応して昇り降りの本数を調整したりとかはちょっとイカス。
  • 電車はダイアグラム至上主義でビューティフル。乗客の乗り降り時間があるけど、そこを折り込んでだいたい時間どおりの運行。発着時間を固定することで待ち時間のストレスを割り切っている。ダイアグラムの欠点は詰めすぎると事故に弱いところか。いや事故起きても JR は毎回それなりの変則運行をやっているわけだから、「対応できてる」ともいえるのか。
  • バスの場合は道路状況や信号などが絡んでくるのでもうちょっと振れ幅がある。
  • ゆりかもめは電車みたいなものだけど無人運行だな(かっこいい)。
  • タクシーは道路状況次第のフリースタイル。案外これがエレベータに最も近い移動手段か。エレベータは乗ったら線上のどっち方向へも移動できるが、タクシーは乗ったら面上のどこへでもという部分がフリー。エレベータは性能固定だがタクシーの場合かなりの部分運転手依存。