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金日成のパレード

金日成のパレード DVD

F くんに DVD 版を借りることができたので久々に見た。最初に見たときのメディアは LD で、90 年代中盤だったが、いつのことだったか正確には覚えていない。サークルの先輩の家の上映会で「神風ライダー」とかと一緒に見たような。韓国ソウルオリンピックと同年に北朝鮮で開催された、建国 40 周年記念式典の模様を、ポーランドのひとが記録したドキュメンタリー映画。一言でいえば、マスゲーム先進国北朝鮮の超絶プレイムービー集。あとは金日成氏がいかにグレートな存在であるかが繰り返し繰り返し寄せて引く波のように語られるかんじ。北朝鮮名所観光もあるのかな。あんま北朝鮮詳しくないのでよくわからん。

とにかくにも物凄い映像に圧倒される。21 世紀になってから見たのはこれで二度目になるが、わかっていても CG にしか見えない。でも遠景の mob まで含めて全部別々の人間。気持ち悪いくらいに同期・連動・展開してゆく人の波。独裁体制下の国でなければこれほどのパレードは決して為しえまい。映画「ガンジー」は 30 万人のエキストラを動員してギネスブックにも認定を受けているというが、このパレードに映ってる人数ってそれより多いだろと思える(全体で 100 万人とか)。それも統制の取れた動きをしている数でだ。このありさまのうち誰が最もすごいのかといえば、それは式典計画を担当し運営した人間だろという話だ。資材の調達から配置運搬、練習やら準備の計画、人員の配置や移動のテーブル、もちろん終了後の撤収まで。ちょっと考えられない規模だよなー。人類史上でも稀かもしれない。

ちょっと気になるのが、このパレードの「観客側」だ。すごい絵を撮るわけだから当然パレードのシーンで映るのはほとんどが「演じている側」であり、「それを見ている側」が映らない。まあときどき金日成氏やその側近の姿は映るんだけど、このパレードを「見ている側の人々」がどれくらい居るのかがわからない。これほどのイベントなのだから当然たくさんのひとが客として楽しみたいはずだろうと思うのだが、なんというか、演じている側の人数が多すぎて、これより多い観客というものを想像できない。もしかしたら「見ている側」は「演じている側」と比べるとものすごく少ないのかもしれないな。北朝鮮の上層部と招待された外国人ゲストを除いたらほとんど居ないとか。わからんけど。「自分が担当している出し物以外は自由に見てよい」とかが資本主義体制的には想像しやすいんだけど、それならもっとたくさんの見物客が沿道やビルの上とかに映ってそうな気がするんだよな。

そのほか。

  • 遠くのほうまで人間の動きが一致しすぎているので、これは音じゃなくて光で同期を取っているのだろうと思われる(小規模の隊列なら笛とかで合わせればいいが、大きな隊列では笛の音が聞こえるまでの時差がありすぎて動きに波が生じる)。つまり、音楽は楽隊が観客側のごく近くで演奏し、その近くの高台に全体の隊列を指揮する人間が居て全力で旗とかを振りまくっており、パレードの列は全員その動きを見て動いているというかんじだろうか。スタジアムのパネル文字の中のひとたちが一斉に一点を見ていたことからもそれはわかる。
  • 関係ないが、オタクラスタにおける用語「マンセー」の波及について、そういやどんなふうだったかなと気になった。おれの場合仲間内ではこの LD を見て以降にしばらく流行、それと前後して同人界隈などでもチラホラと聞こえ(まあ LD を見たことによって「マンセー」を認識するようになったという話だから、もっと前から言われてたんじゃないかという気もするが)、それからしばらく間をおいてネットが大きくなったあと個人ページとかで「マンセー」を使うひとをちらほら確認して、気がついたら 2ch 語として定着していた?ような?認識。