「狂骨の夢」を読んでいて、あいかわらずウゲーというかんじの記憶の話が延々と続いてゆくかんじだが、最初のほうにあった、
伊佐間は先月もひと月近く釣り堀を閉めて山陰を巡った。そこら中手当たり次第釣り歩いたのだ。殆ど坊主だったが、楽しかった。
旅から戻り、二週間程は笛を吹いて暮らしていたが、どうにも気が乗らないので再び近場に出張ることにした訳である。宿も定めぬ気儘な旅であった。
ここのところがいままでになく愉快だった。「笛を吹いて暮らしていた」というのがいかにも暢気だ。おれもそれいつかやってみたいものだ。