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魔法遣いに大切なこと

魔法「遣い」に大切なこと。こういう言語感覚でいつもとちょっとちがうかも感を演出しているお話がおれをしあわせにした例はほとんどなく、ゆえにタイトルの時点でおれの脳内警報がワンワン真っ赤に鳴りまくってるわけだがここは敢えて火中に飛び込んで栗を拾ってみようと思ったけど、やっぱりだめだった。苦手苦手苦手苦手、不得手。

漫画のほうは先に読んだことがあって、着色は好きだがほかはどうにも好きになれなかったのでっていうか、そもそもおれがこの毛色の漫画やアニメやその他作品をまったく受け容れられないことはもうだいたいわかっているんだけど、おれがだめで世間にはいいというその感覚の差を埋めることさえできれば、おれは低コストにしあわせを得られることになるわけだから、おれが知りたい、いや近づきたいのはおれが感じている嫌悪感そのものだと言える。要するにこのアニメを見ているようでいておれはこのアニメなんかどうでもいいと思っており、そのうえでおれはこの作品を受け容れることができないと考えているわけで、こんなに失礼な話はない。その点でおれは反省すべきだが、その反省は誰に向けてすべきか。

変わりたいなら必死で変わろうとしなければそれはオナニーにしかならないというのに。そしてそれは下手をすると、こうした(おれがほとんど本能的に忌避する)アニメや漫画が繰り返し言っている内容そのものであるかもしれないのに。ただ、おれはそれらの内容が正確にそのまんま視聴者に伝わるべく画策されているのかどうかについては、疑問を持っている。このあたりについての暫定的な安心はもうちょっとで得られそうなんだけど、あと一歩半くらい踏み込みきれない。

交差点で車吹っ飛ばした時点であの女の子がハシッと警官に取り押さえられてなんだかしらんがとにかく暗くて狭い監獄に三十年ぶち込まれてこのお話での彼女の出番はそこでおしまい、彼女の困難で偉大な物語は後々に語られることになるがそれはまた別のお話となる、それはそれとして一方その頃世田谷区の路上で、あるささやかな事件が起ころうとしていた、これがいずれ全世界を揺るがす大事件の発端になろうなどとその時点で予見しうる者は誰一人としてなかった、ただひとり、交差点の一端に立つひとりの少女を除いては、なぜなら彼女はこの事件の一方の当事者であり、そして彼女はまさに今日、短くも長かった人生において最も重大で困難な計画を実行に移そうと決意を固めていたからだ、つまり事件は、起こるべくして起こったのだ…。…とかなんとか全然別のおはなしにつながっていってくれれば、それはそれでおもしろく見れたのかもしれないな、おれが。ああだめだだめだ、頭を冷やそう。

ただ、勧善懲悪から懲悪を抜いては勧善が曖昧なものになり、勧善懲悪を補強するためには信賞必罰もきっちり描いとかないと地に足がつかないはずだ、とは言えると思う。そしてただ漠然と勧善を曖昧に描いてみせるだけのものは、それはもう十分に市場に行き渡ってると思うのでそれは新しくないんじゃないだろうか。いやそういうことじゃないんだ。

現状の魔法遣いに大切なこと最終兵器彼女コメットさん☆をやってるだけにしか感じられず、コメットさん☆は四クール近くかけて感情でいえばただ漠然とした善意だけを持ってる世間知らずのお姫様が人間味みたいなものを獲得するまでを描いてみせて、それはけっこう見事な仕業だとも思えるんだけど、たぶん魔法遣いに大切なことは四クール近くもはやらんのだろうし、であれば 13 話だか 26 話だかそんなかんじか、おまけに後発で、であればこそ下北沢なり役所なりのディテールやリアリティを必要としたんだろうし、その現実と非現実のブレンド感覚は間違っていないと思うけど、しかし負けないだけでなく勝つためには、いきなり主人公を三十年ぶち込んでみせるくらいのドラスティックっぷりがどこかの場面で必要なんじゃないかと思ったりもしてみたのだ、おれがおれのバランス感覚を取り戻すために。