最近の漫画
- 真に田舎を内面化したオタは上京しても東京タワーに登らない、それは「東京タワーにのぼるのがおのぼりさんっぽくて恥ずかしいから」では決してない、我々が必要とする東京タワーはフィクションの向こう側に幻視するものであり、現実の電波塔は興醒めのぶち壊しだからだ。…という意味で、第二東京タワーが東京タワーに成り代われるのはだいぶ先だ。ただの巨大構造体ではなく、そのうえに様々な文脈が被さってこなければ、東京タワーはおもしろくない。だからとりあえず CLAMP は東京 BABYLON 新章をはやく。あと、これだけ東京散歩ブームが極まってきたことだし、そろそろ細野不二彦氏も東京探偵団をリメイクしてもよいのでは。
- おれデスノートと島本和彦氏は紙一重だと思ってんだよな。島本和彦版デスノートとか脳内エミュレーションかなり克明にできるもん。でも島本和彦氏がデスノート描いたら、我々はそれをデスノートとは認識できないよね。ふつうの島本和彦氏作品として読んでしまうだろうし、たぶん爆発的にはヒットしない。
- 天樹征丸氏原作・さとうふみや氏作画「探偵学園 Q」を読んでみているんだけど、なんだか謎の読みづらさがあるなこの漫画。ただネームが多いから、とかではなく。いちいち目が引っかかる。金田一少年のときはそんな読みづらくなかったと思うんだが…。
- 世間から何年遅れだかでようやく長谷川哲也「ナポレオン 獅子の時代」読んでるけどすげえ。三浦建太郎氏や平野耕太氏と近い箱なのかなと思ってたけどたぶんちょっと違う、小島剛夕氏っぽいけど大状況モノ、みたいなかんじ…。男キャラと女キャラの描き分けのギャップ(と女キャラのネジ飛びっぷり)は山口貴由氏を連想するな。
- 話のつながりがちょっとわかりにくかったりするらへんは史実モノだからべつにいいし、コマの流れがちょっとわかんなかったりするときがあるけどかっこいいし、しかしなんというか男臭いというよりは、どことなく高専くさいノリがある気がする漫画やね。あと、ええー?!そこで迫力ー?!みたいな、読んでてへんな驚かされかたをする場面が多いので感動しやすい気がする。
- あと真刈信二氏原作・赤名修氏作画「勇午」をちょいちょい再読している。なんかこー青春の一時期に「勇午描写のリアルじゃない点をチクチク探してつつきたい欲」みたいなのと戦う高二病期ってあったよなーとか思った。いまはぜんぜんそんなこと思わん。歳食ったからかね。