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Togetter てのはあれか、もはや超魔空間か何かか関連

Togetter というのは Twitter の post をまとめてエントリ化する web サービスみたいなもので、近年ポストはてな匿名ダイアリ的なポジションで炎上マーケティング界隈を賑わせておりパワフル。ということはおれと関係のない世界の話ではあるけども、方法においては無関係といえない。というのは、おれもここ数年「自分の Twitter の post をまとめてエントリをでっちあげる」ことによってこの日記を埋めているからだ。

で、熱心に Togetter を閲覧しているウォッチャー界隈で囁かれる「Togetter まとめ内で自分の ID の post 採用率が一定以上の場合その Togetter エントリは読む価値が低い確率が高い」問題、略しして「Togetter セルフまとめ勢」問題を聞くに及んで、なるほどなーと腑に落ちるようなところもあったので、書いとく。

  • Togetter は、Twitter で観測した一連の発言の流れを切り取って「これどうよ」と提示するためのサービスだ。Twitter には元々 in reply to 機能があるが、あまり利用されておらず、またその実装も充分とはいえないし、「完全に無関係な文脈がたまたまシンクロニシティを起こす」みたいなおもしろさは、どのみち in reply to では掬い上げることができないので、Togetter にはそれなりに意義がある。
  • Togetter セルフまとめ勢とは、ようするに自説を開陳し世に問うため Togetter を利用しているユーザだ。
  • ところで「ようするに自説を開陳し世に問うため」にインターネットを利用しているユーザは、Togetter においてのみ顕著に観測されるわけではない。というか Togetter 以外のメディアにこそ大量に居る。そういうことがやりやすいツールとしては以前からブログがあって、その前身は Web 日記であった。したがって、Togetter セルフまとめ勢とは「Togetter を舞台とする新種のブロガーたち」と言い得るし、一方でおれは「ブログツールで Twitter セルフまとめをやっている勢」の一人ということになる。
  • そんなわけで「セルフまとめ勢」というのはいまどき珍しくもなく、したがってセルフまとめ勢が、ただそうだというだけで怖れられたり忌み嫌われたりはしない。「セルフまとめ勢→怖れられる」には発動条件があり、それは「多くのひとが公共と認識して利用している場に自説の広告を貼り出す」という行為において、ということだ。2ch には「ここはお前の日記帳じゃないんだ、チラシの裏にでも書いてろ、な?」という伝統的なフレーズがある。あれだ。
  • 掲示板は公共空間だと目されやすいので、そこでの自説の開陳はウザがられやすい。「チラシの裏にでも書いてろ」は、わりあい「ブログにでも書いてろ」と飜訳される。ブログでやってるぶんにはフィルタリングしやすいので、あまり邪魔には思われない。世に問いたい場合にはある程度の広報も必要だが、程度問題だ。やりすぎはキチガイまたは SPAM 行為へと近付く。
  • 2ch のような掲示板と同様に、多くの利用者から公共空間視されてきた場があって、そのひとつが一元管理型ランキングだ。むかしからその種のサービスはあったし(Read Me!ランキングとか?)、また近年では、はてなブックマークの注目エントリや、Togetter の注目のまとめなどがこれに当たる。匿名ダイアリに自説を書き散らかしたり、Togetter でセルフまとめをやったりしているだけなら、単なるサービス利用の一形態にすぎないんだが、それらの web サービスが認知度を獲得していくのにしたがって、「毎日ランキングを頼りにそのサービス内の記事を読むことを生活に組み込んでいく」タイプの利用者が生じて、彼らがハズレくじを引かされたときに、セルフまとめ勢は怖れられる存在として認定される、という手順になっている。
  • また、匿名ダイアリでわりとあった事例として「ブログを持っているのだが、自分のブログの認知度が(匿名ダイアリよりも)低いために、ブログではなく匿名ダイアリに post する」というのがあった。これなどはまあ、「有名ブログのコメント欄を自説開陳の場として利用することで、プレゼンス獲得を省略して自説を世に問いたい人々」みたいな往年のブログ界隈問題の亜種であり、SPAM 認定されてよい行為のように思えるが、まあ「ブログ社交的な面倒な手続きによって認知度を上げていく」みたいなライフハック&スピリチュアル&自己啓発&意識の高さ的世界観闘争に押し潰された怠惰な世界観被害者として、ある程度の同情は寄せられてよい気もするし、第一はてな匿名ダイアリのアーキテクチャは、そのようなサービス利用を当然想定しうるものであるから、そうした運用を批判するのには当たらない。

整理すると、

  • 何らかの web サービスを利用して自説を開陳する行為自体はおかしなものではない。
  • とはいえ、多くの利用者から公共空間視されている場での露出頻度が高まると、それは異常行為として認識される。
  • 「なにが公共空間であるのか」は、そのサービスの利用者の総数と、一元管理型ランキングの利用率により曖昧に決定され、流動的。
  • したがって、充分に認知度の高まった(ランキングを経由した)サービス利用においては、自分のプレゼンスをあらかじめ向上させるというような事前努力をスキップして自説開陳にはしるような方法が生じる。

まとめると、まあやっぱり一元管理型ランキングが癌なんじゃねえの、ということになるんだが、ネットにおいてもっとも不努力を肯定されるべき存在が「読者」であることは自明なので、「書く側に悪影響を及ぼす読む側の運用」を変えるためにはアーキテクチャが変化するしかないよね、といういつもの話に。やはり「いちばんラクに使う方法が、結果的にそのサービスを最も豊かにする」みたいな設計が善。で、ある程度ユーザに気を揉ませやすい交通渋滞は熱量を産むから、盛り上がりやすくて、癌って便利なのよねーみたいなところに落ちてゆくのか。