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改めて Rez について何か書いてみようとしたが失敗した、という記録

去年末あたりに漠然と書いていたんだけど、調べる時間がなかったので、結局まとめるのを諦めた、「ゲームオタク側からみた『Rez』(2004/UGA/DC+PS2)の魅力」関連についてのメモ書き。

  • Rez の魅力
    • 「BGM に合わせてタイミングよく SE を鳴らすとキモチイイ」程度の感覚の話でよければ、『XEVIOUS』(1983/NAMCO/AC)に関するゲームメディア上での言及などもかなり昔からあったかと曖昧に記憶するが、Rez をエポックメイキングと呼べるのは、リズムを念頭にプレイする必要なく、適当に操作すれば自動的にリズミカルなゲームプレイが実現されるというそのシステムによる。
  • 音楽は Rez にとって重要な要素だが、Rez はいはゆる「音ゲー」ではない
    • 音(リズムアクション)ゲーとは一般的に「リズム同期を意図したプレイヤの操作を評価する」ゲームのことで、これが自動的に行われるのだから、Rez音ゲーではない。Rez はどう操作しようと、なんとなくリズミカルになる。
    • 音ゲーといえば、そのジャンル開拓した Beatmania シリーズをはじめとする KONAMI 社の独壇場だったが、大概は「タイミングにあわせてボタンを押す」「入力した瞬間 SE が鳴る」というプリミティブなデザイン(実際にはジャストタイミングで入力しなくても綺麗に SE が音楽と繋がって聞こえるよう微調整されている場合もあり、強いていえば前方同期型の音ゲーに分類できる…かもしれない)(←日本から約 10 年遅れて音ゲーブームが来た北米での大ヒット作『Guitar Hero』(2005/Harmonix Music Systems/PS2)などの洋ゲーは、このへんの調整が超大雑把だったような気がするけど記憶違いかも)。Rez の発想は、このジャンルからは結構遠い。
  • では Rez は何ゲーなのか
    • Rez は 3D レールライドシューターだと言える。バルカン&多段ロックオン可能のホーミングビームー&バーサクといった Rez の攻撃システムは、『Panzer Dragoon』(1995/SEGA/SS)の時点でほぼ完成しており、緊急回避や視点旋回などのフィーチャーを継承しなかったことで、3D シューティングとしてはむしろ退化しているとも言える。
  • Rez のリズム同期
    • 自機の攻撃を、入力タイミングジャストではなく、音楽のリズムに後方同期させることにより、プレイ内容と音楽の同期を実現している。シーケンサでいうクォンタイズ機能が、自機の攻撃システムに乗っかっているという理解(←このため、Rez における自機攻撃(敵死亡)判定は「着弾した瞬間」ではなく「発射した瞬間」に行われていると思うけど未確認)。
  • Rez の先祖?
    • 多段ロックオン可能のホーミングビームは『RAYFORCE』(1994/TAITO/AC)ってことでいいと思う。RAYFORCE のロックオンレーザーは、その美しい軌跡を表現するため複数のスプライトパターンの組み合わせて描画されており、Panzer Dragoon においてもそれは擬似 3D で再現されていたように推測するが、Rez はフル 3D になっているので技法的なつながりは特にない、はず。
    • ビジュアルイメージの先達としては『iS internal section』(1999/SQUARE/PS)が挙げられる。iS もまた「音ゲーではない形で音楽をゲームに取り入れようとしたゲーム」のひとつではあったが、サウンドセット決め打ちの Rez とは違い、サウンドによるステージ自動生成というアイディアで、別系統。なお iS のアイディアの直系の子孫といえるのは、『Audiosurf』(2008/Audiosurf/PC)かもしれない。
  • サウンドからステージ自動生成ゲームはノレない問題
    • iS をはじめ、サウンドからステージを生成する STG は、(現在メジャーな解析方法の実装限界から)いまいち音楽と生成されたステージそれぞれの「勢い」が噛み合っていなかったり、破壊タイミングで鳴る SE を音楽と同期させられないため、原理的に大概ノれない。Rez はその非同期要素を後方にずらすことで同期させた。いっぽう Audiosurf は、STG ではなくレースゲームとして開発されたため、SE を自機グリッド到達で鳴るよう配置調整でき、(システム面のサポートなしで)原理的なリズム同期を実現している。
  • Rez の子孫
    • Rez のようなゲームは、いまのところ出ていない。というよりこの(曖昧な)ジャンルのゲームは、誰が新作を作っても、それぞれの解釈がダイレクトに反映された仕様となり、僅かな仕様の違いでもゲームプレイが相当異なってくるために、あまり似たものにならない。したがって新しい「Rez みたいなゲーム」を遊びたいなら、Rez 2 の登場を待つしかない。
    • …とか書いてたんだが、今年の E3 でそれらしいのが発表されたね、チルドデン(→http://www.youtube.com/watch?v=25jMTB5KQ9M)。もしそうなら、めでたい。
    • 一応、リズムの後方同期というアイディアは、Rez 同様水口哲也氏プロデュース作である『LUMINES』(2004/Q Entertainment/PSP)シリーズに継承されている。
    • また、前方同期型のリズムアクションではあるが、水口哲也氏プロデュースの『スペースチャンネル 5』(1999/SEGA Enterprises/DC)シリーズは秀作。
  • 映像面での小ネタ
    • Rez のビジュアル面での特徴として「パースにかかわらず、描画されるワイヤフレームの太さが一定」というのが、凡庸なサイバー空間大好きっ子ゲーと比べて手厚い。単なる 1 ピクセルのライン描画というならあれこれ思い浮かぶが、敢えて太めのラインで、しかも奥行きに関わらず線種一定というのは相当珍しい。ようするにこれはワイヤフレームではなく、ベクタースキャンへのリスペクトだ。

とかなんとかを叩き台に、なんかいい具合に練り直して、以下 Rez 好きならこのへんも関係あるかなゲーリストが続く予定だったが、それは以前書いた日記(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20100509#p1)あたりで補完。

あと Rez は当時 PS2 版と DC 版が同時発売で、(くわしいこと忘れたので適当に記憶だけで書くが)振動機能については PS2 版は専用トランスバイブレータ付きで DC 版は汎用ぷるぷるパック対応、映像面では PS2 版は若干解像度が低く色が汚くて最大 60fps だけど負荷がかかるとだいぶフレームレート落ち、DC 版は VGA で色綺麗で 30fps 固定でコマ落ちほとんどナシ、でどっちがいいかといえば良し悪しなんだが基本的に専用バイブレータのある PS2 版のほうが一回のプレイは楽しいが、安定して綺麗な絵で遊べる DC 版のほうがリプレイ性は高い印象、個人的には DC 版推しかなーというかんじだった。現在は、バイブレータ以外のあらゆる面で旧作を上回る Rez HD が XBOX 360 に出ているわけなので、なんかトランスバイブレータの格別な使い方に開眼しているとかいう場合を除いて、360 版やってりゃ何の問題もないかんじだと思う。