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家庭用ゲーム界隈概況認識の整理

このところのゲーオタ関連 OFF 会などで喋ったときに、漠然と皆に共有されていたのであろう家庭用ゲーム界隈概況認識について、大雑把に整理。

今世代、というより XBOX 360 は、まったく予想を超えたすばらしい体験だったといえる。これほど先進的に「いま、ゲーマーがどういうゲーム体験をしたいのか」を形にしたハードを作ってくれてありがとう Microsoft 社、RRoD の悲嘆と乾きを味わわせてくれて恨むぜ Microsoft 社。その他については、Wii、まあ頑張った。PS3PS4 に期待しとこう。というかんじ。このあたりの 360 体感については、辰氏の Twitter での発言がよくまとまっている。

  • 平均的な Xbox360 ユーザーは GoW、PGR4、Halo3Forza2(その他 06 〜 07 年の話題作諸々)とやってきて、GTA4 で今世代のお祭りムードは締めに入って(GoW2 Forza3 は豪華なボーナストラック的扱い)、今年入ったくらいからはもう NXE、XBIG、Natal あたりを肴に Xbox720 が実現するであろうゲームライフを妄想してる段階じゃないの?
  • 十分楽しませていただきましたありがとうございましたってなもんだろう。

発言中で参照されてる URL のひとの価値観が、それほどユニークなものではないのはちょっと問題かもわからんね。なんつーか時代がズレてる。ズレてるひとがそれなりに存在して、現代感覚に組み込まれているから、ある意味ズレていないことにもなるっていう。メガドラ当時のセガユーザ的なマインドで、メガドラ当時とは全然情勢の違う現在を生きている、というようなギャップ。なぜそういう圧力を彼らが自ら背負い込みたいのかはよくわからん。真面目さとか教養的ななにかとかかな。どのみち自然体でもしあわせでもない。とまあ脱線したので戻すと、

  • 今世代機は収穫期を終えつつあり、しかし、いよいよ次世代機…のニュースが全然出てこないことにより、なんだかよくわからんモラトリアム感が漂っている。今世代機はハードウェア面でのメジャーアップデートといってよかったが、次世代はネットワーク機能に関するアップデートが中心となり、たぶん使わなくてもすごさがわかるというようなものではないので(今世代機の前世代機に対するすごさすら、いまだ認識が浸透していない印象もある)、マイナーアップデートとして認識されることになる。下位互換は標準の流れとして定着し、ますます移り変わりはひっそりと。
  • 次に成長する市場、そこに適合するコンセプト、という大雑把な目標が見えづらい。中国はたぶん来ない。ロシアは一応期待だけはされていたが、これもまだまだ。ホームエンタテインメントという緩衝材を中継せずとも、直接 PC が来そうにも見える。だけどそれによってホームエンタテインメントに注力する意義が薄まるとは思わない。
  • 次に天下を取りに行くデベロッパ群、というビジョンが見えづらい。
    • 現行機が結局どういう時代だったかを簡単にいえば「自由の荒野でしのぎを削っていた PC ゲームの開発者たちがコンソール市場に打って出て、これを征服した」というストーリーで理解することができる。今世代で「これはおもしろい」というゲームを作ったのは、だいたいが元々 PC ゲーを作ってる会社で、連綿とコンソール市場でがんばってきたメーカーはパッとしていない。去年でいえば「DEAD SPACE」の Redwood Shores とか、今年の「Uncharted 2」の Naughty Dog とか、ごくわずかに気を吐いてるところがあるくらい。最初は単純に HD のド画面を綺麗に埋める技術力みたいな部分で割って入られて、最終的には「よくわかってる人間が作っていなければ生まれないおもしろさ、確かさ、手っ取り早さ」みたいな、お家芸であったはずのツメの部分でも、コンソールメーカーは PC メーカーに置いていかれた。なんつーか北方から侵入してきた匈奴にいいように食い荒らされた中原、みたいなかんじ。コンソールのコンソールらしさみたいなものには、もはや「古いもの」「様式的で意味がないもの」「気の利かないもの」みたいなネガティヴイメージのほうが多い。個人的には、そういう気分がひろく共有されるようになったのは喜ばしい。標準を塗り替えるようなアイディアが次々とコンソールに持ち込まれ、アイディアが出揃いつつある。豊かとしかいいようがない。
  • で、まあ、理想をいえば「次世代には、今世代ではいいようにやられっぱなしだった原住コンソールゲーム開発勢が挽回して、ふたたび天下を取り直す」あたりのストーリーが綺麗かなと思うが、そう簡単にいく話でもないだろう。業界再編が進んでいる。台頭するなにか、というよりは、再編されるなにか、というようなイメージで、いま見えているものがより洗練されて再発明されるのかもしれない。新しい未知のプレイヤ群、というイメージは、既存の見方では見えてこない。世界がひとつになったあとに来る出会いの場所としてのフロンティア不足、グローバリズムの限界みたいなものの焦燥感から、今世代機後半は逃げられなかった。
  • ハードがそうであるように、次世代のゲームは今世代ほどの(前世代差分として)見た目のインパクトを持たず、ネットワーク機能の使いこなし・浸透によって質的に変化していくだろう。開発規模としてはこれ以上の拡大はおそらくない、現行モデルよりもでかい博打の打てるタイトルは世界でも五本あるかないかである、という理由による。ただ、開発モデルの再構築はいっそう進んで、新しい流れについていける体力のないメーカーはますます厳しくなるだろう。そういう「ついていけない側」を上手に大きな流れに組み込んでいく、というのが、より上流工程の仕事なんだろうけど。
  • 超大作とカジュアルゲームの二極分化が一層進むのは間違いない。そこそこのお金のかかった中ヒット、というカテゴリはすでに相当厳しい。いくつかの要因で中ヒットしか狙えないあたりの会社は生き残りが至難、これからまだまだ潰れるだろう。

とかなんとか。