ACE COMBAT 6
いやなんかちゃんと遊ぶとだんだんこれはこれでいいかという気分になってきた。新世代機にふさわしい新しいゲーム、ではまったくない。懐かしい手触り。まあなつかしいものがひとつくらいあっても悪いことではないという。シンプル 1500 シリーズ THE 空戦感。グラフィックは凝ってるし綺麗だし音響もがんばってるのでシンプルシリーズというほどショボくれてはいない。それでいうと、去年の今頃に出ていればちょうどよかったタイトルかもわからんな。地球防衛軍 3 も去年だったし。一年目の年末は旧世代デザインタイトルで堅調に持ち上げつつ next gen な GoW を祭り上げるか、というふうに持っていけたかもしれない。でもまあいい。去年はアイマスもあった。アイマスと AC6 ではどう考えてもアイマスのほうが新しいけどまあ。AC6 もよくやってる。
- 序盤ちょっとやっただけだけどなんか対地攻撃が多い印象。そうなるかねーやはり空戦といってもそれほどバリエーション可能性を掘り下げられるほど奥深くはないし、なにしろ空は上の方は青天井なので起伏もくそもなく、となれば低空側にターゲットをてんこもりして地面の近くで戦ってもらわないとゲームプレイが平坦になってしまう。空中ターゲットも基本中〜低空に集めて、アクセントとして高空にいくつか置いてあるというかんじ。
- 雲がビルボードとはいえ結構がんばっていて、低空を飛んでるぶんにいいかんじに視界を遮ってくれる。山岳地帯とかだとてっぺんあたりにかかってるので高空から襲いかかろうとしても狙いづらかったりとか。
- ウリのひとつである敵味方の大軍入り乱れ感も良好で、どうしても密度が薄くなってしまう広域戦闘ゲーとして、絵的な寂しさはだいぶ改善されている。ゲーム的にも「あのへんミサイル煙がだいぶあるなー、じゃああそこらへんに敵が居るのか」とレーダーでなく視界確認で応援に飛んでいきやすいとかそのへんで役に立つ。
- 余談だが、おれが AC シリーズが今世代機のトレンドと不当にそぐわないと考えている部分のひとつがこの密度感で、ハイデフの情報量×狭いエリアにミッシリと情報を詰め込んで質量共になんとも「濃い」体験をさせる、というのが現在の主流で、しかし AC が題材としている空戦はそもそも戦闘エリアが広すぎ、その細部まで情報量を詰め込むことが、それこそ陸上のせいぜい数百メートル範囲で密度を競えばよい FPS などに対して、仮に工数を度外視したとしても技術的に無理だし、体験の密度として圧倒的に不利という話だ。そしてその厳しい条件の中で、AC6 は相当に健闘しているほうだと思う。と同時に、これだけ健闘しても時期的には厳しいものがあるなあとも思う。数年前や数年後ならわからないが、いまこの時期の 360 についていえば、ユーザが慣れきっている濃度感が半端じゃないので。まあ濃すぎて胸焼けする COD4 と並べて遊ぶと、その薄味さが楽しめたり実際してるわけだから、それはそれでいいのか。
- ターゲット量が豊富なのでマトに不自由することはなく、ロックオン最強伝説ゲーとはいえそればかりに頼っていてはすぐ弾切れになり、初心者にもバルカンをちゃんと当てるテクニックへの意識をもってもらいやすいかもしれない。海外空戦といえば基本的にロックオン性能は抑え目で手癖で直進弾を当てにいくのが主流だから(いや主流と呼べるストリームを観測できるほど最近はタイトルも出ていないが)、そっち方面の嗜好にも合流していけるかんじ。
- 高 G ターンという小技の導入はミサイルゲーとしてもバルカンゲーとしても PvP モードでの振れ幅を増すために必要のフィーチャーだろうが、それがマルチプレイでどれくらい効果を持つのかは不明(あまりに手軽すぎると全員そればかりやって意味なしというかんじになりかねない)。けどまあシングルでのおれさまニュータイプ感をブーストする効果は十分はあるだろう。
とりあえずこんなところ。全体印象やオタ的な引っかかりについてはまた今度。