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女のロマンとはなにか 2

大学時代、おれが所属していていくつかのサークルは、まあなんか男女混成サークルでありがちというか、男子と女子の二つのホモソーシャルを内包する形態だった。そうじゃない形態のサークルもあったけど(男女混成だけどホモソーシャル的地下水脈が希薄とか、または女が居ないので自動的に全体=男子部なサークルなど)。サークルはサークル全体の明文化されたルールで運営されるが、それと別に、各ホモソーシャルにはホモソーシャル内部にしか通用しない美学とかロマンみたいなものが存在する。男の場合まあ空を翔る一筋の流れ星とか風を払い荒れ狂う稲光とかなんとかそういったアレ。というと曖昧なんだけどおれは男なのでまあ成文化しなくてもなんとなく理解できるのでここでは書かない。で問題が女のホモソーシャルのロマンや美学で、最近までわかってなかったんだけど(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20051008#p2)、あるときひとと話してて「化粧は女のロマンです!」と言われてなるほどと思ったのだった。そうか化粧か。まさに美学。みたいな。おれは鈍感だなあ。

おれが所属するようなサークルというのは必然的にオタサークルなので、そこに所属する女子部員の中には一定の割合で「化粧とかにかなり疎いひと」が含まれる。というか最近はどうか知らんけども一般的に大学生なりたてくらいの女子は全般的に化粧が下手だった。で、オタサークルといえども三回生四回生くらいの先輩の中には、これも一定の割合で「化粧道に血道をあげてるひと」が居た。そうした需要供給の噛み合いで、女子部らへんの井戸端で「女子大学生としてこれだけは押さえておきたいメイク講座」みたいなのが定期的に行われていることを、我々男子部の面々も一応知ってはいた。そのほかでいうとパジャマパーティとかなんとかもあってるっぽかった。けどそこいらへんまでいくとまあ完全に女の世界の話なのでよくわからんし興味もない。女は一般的に男よりフチコマ度が高いらしいので、そういったイベント単位で情報共有や上下間の様々の伝授儀式などが行われていたのだろうが余談。話が逸れた。それなりに秘されてはいたが男子を排斥した場で行われていたわけでもないほうの、いまはメイク講座の話だ。

そこで興味深かったのが、「媚びメイクは二流」という言葉だった。まあ手っ取り早く男ウケのいいメイクと、女ウケのいいメイクでは後者のほうが高度、くらいのことは、知識としてなら当時のおれにもわかる話だった。けどピンときてなかった。あーなるほどなー。それはまさにホモソーシャルへ向かってゆく意識なのだなーと、いまならわかる。美学でありロマンだ。まあロマンと美学をごっちゃにしてはいかんか。ロマンはホモソーシャルに通じてゆくもの、美学はとりあえず自分の中だけでこれは一貫したいと考えているもの、とかにしておくか。ロマンも必ずホモソーシャルに通じてゆくわけではないし、美学はそれが納得力を伴うものであれば自分以外にも通じてゆくものとして。また脱線した。戻して、たとえば一部の男オタの掲げるガレキ道が険しいのと同じく、一部の女オタの掲げるメイク道もまた険しくて当然なのだった。だって険しくないとロマンじゃないもの。ロマンメイクは明瞭に定義されていて、つまりは「媚びメイクではない」ものだった。女が社会における男の対称としてでなく、自分としてただ美しくなっていくという、それ自体を自己目的化したもの、という価値観を至高としてのアプローチ。それはまさしくスポ魂系オタの姿だった。安易に対異性というフレームに落着する環境適化、つまり手っ取り早い武装としてメイク道を扱ってはならぬという、これがつまり男でいう「硬派」だったのか。