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アニメスタイルイベント「湯浅政明特集」

今夏公開予定の映画「MIND GAME」(http://www.mindgame.jp/)の宣伝も兼ねてのイベント。いってきた。

  • やはりロフトプラスワンのイベントは疲れる。
    • というかおれが行ったことのあるイベントは、満員気味なものばかりだからってのもありそう。
    • 空いてるイベントにいってみたい。
    • おれは起きてるあいだじゅうドリンクをグビグビ飲みまくるひとなので、ロフロプラスワン式のイベントはコストパフォーマンスが悪い。
  • MIND GAME」はおもしろそうだった。見に行く予定。
  • 作画の視点で(映像資料つきで)語られるアニメーションというのは、最近ではもうあまり聞けなくなってしまった話なので、そのへんもおもしろかった。単におれがそういう世界から離れてしまっただけなのかもしれない。
  • 湯浅政明氏の過去の様々な仕事が上映された。印象に残った3つ。
    • 落語アニメは、なんかこれはこういうものとしてふつうにおもしろいんじゃないかと思った。もっとも、これが発売された当時に見たらそう思わなかっただろう。「MIND GAME」の受け容れられる可能性がある現代感の波及はこのへんにも?(←かんがえすぎか)
    • 集英社の「スライム冒険記 海だ、イエ〜」という作品の、動く巨大な水塊から透かして月光を仰ぐあたりのビジュアルはすごいなあと思った。スケール感を逸脱した画面情報の制御というのは、手書きアニメの醍醐味といっていいよなあ。あと(前説もよかったので)スタッフクレジットを見て笑った。
    • ゲームのエンディング用に仮組みされたというムービーもあって、これは止め絵が主の穏やかな仕事だったけど、逆にそこでレイアウトのかっちょよさが強調されてて、あーやっぱアニメーションのひとはこういう部分の鍛え方が根本的に違うよなと思った。拳法における足腰みたいなもの。

「あなたが作品を作るうえでのリアリティとはなにか」というような質問に対して、湯浅政明氏・ロビン西氏・森本晃司氏の順でコメントする場面があって、これがおもしろかった。それぞれのコメントは(あんま詳細に覚えてないので)割愛するが、その喋り方が、それぞれの立場というか職業人としての立地を思わせて興味深い。

  • 湯浅氏は、クリエイティブな立場っぽく飄々としながらも、現場人としての厚みも感じさせつつ体制構築中といったかんじで、言葉を拾っていくかんじのしゃべり(クリエイター+ディレクター的)。
  • 西氏は、誠実な朴訥というか、人格の沁みる呼吸(←漫画のリズムに最適化された個性というか)。コメンテートは氏の土俵外のことというかんじ(クリエイター的)。
  • 森本氏は、プロデュースとディレクションの中間くらいのスタンスっぽいというか、つまり、森本氏の言葉だけが唯一「他人に説明する意識のうえに明晰に作られた言語」になっていた(ディレクター+プロデューサー的)。

あとまあ「作品のリアリティ」は、べつにこの場に限らずおもしろい話だ。どこの部分でリアリティというものが固着するかというスタンスの話だと思う。たとえば、

  1. 作者の受容する現実の時点でリアリティが固着して、その影絵のように語られるのが作品
  2. 作品の時点でリアリティが固着して、それを視聴者がどう受容するか
  3. 作品を透過してその視聴者の感受性の時点でようやくリアリティが固着する作品

みたいなバリエーションが考えられる。

より具体的には映写機のイメージだ。映写機はスクリーンとの距離に対して焦点を合わせる(2)。これのちょっと手前で合わせてわざとぼかすとか(1)、またはスクリーンを反射した客の目の奥にある脳みそとの距離でばっちり焦点が合うように仕組むとか(3)。客には個人差があるので、3 のような技法の成否にはバラつきがある。2 は作品として完結させて考えた場合には(映写技師の腕さえよければ)完璧に固着する。1 の場合は、すべての客に対して一様に焦点がボケるのである意味平等だが、これも客の個体差で受け取る内容が変化する。

商業ベースに乗るような(粒がある程度以上は揃っている)作品の場合、だいたいは 2 か 3 だろう。1 で出来のいい作品というものにはなかなかお目にかかれない(特殊同人誌などでごく稀に見ることができる)。で、2 の代表というとおそらくは「AKIRA」とかそれ系。「MIND GAME」は 3 を目指しているのではないかと漠然と推測していたし、原作者と監督のコメントで確信を得た。

脱線した。

なにしろ狭い地下会場にすし詰めで、快適とは言い難かったし、トークショーとしても個々にはおもしろいんだけども流れとしては散漫で(←なんかよくわからないが散漫にならざるをえないっぽいかなこの場は、という雰囲気があった)、あまりまとまっていなかったように思うけども、諸々ありつつ全体としては、行ってよかった。

イベントが終わったあと近所のマクドでしばらくオタ雑談。オタ絵とラノベの表紙とかそんなテーマ。