携帯する音楽とゲーム(と電話)
GAMEBOY micro で PLAY-YAN micro と MOTHER 2 を入れ替えながらいつも思う。そもそも GBm がプレイやん内蔵ハードであったならと(本体左側に SD カードスロットがあったりとか)。しかもそれがゲームと連動しつつ別個に駆動すれば最高だったなと。まあコスト的物理的に無茶な話ではあろうけども。CLIE を使いながらいつも思っていた。mp3 再生機能だけほかの機能と分離されてあればと。まあそんなのはマルチコアにしろという話か、でなかったらマルチタスクにしろという話であり、Palm 相手になに寝ぼけてんだ的な欲望なのだが。
ところで XBOX 360 はトリプルコアのうちひとつをダッシュボード機能に割り当てており、ダッシュボードはゲームの挙動とは完全に独立している(それゆえに、ゲーム中どんなタイミングからでもダッシュボードを呼び出すことができる)。そして音楽プレイヤ機能はダッシュボードに振り分けられており、だから XBOX 360 における「ゲーム中 BGM がわりに好きな音楽を再生する機能」は、ゲーム本体とは無関係に(というか音楽再生部分をダッシュボード側がゲーム側から奪って)成立しており、これは初代 XBOX の時代にはゲーム内での実装であった「ゲーム中 BGM を本体に取り込んだ CD と切り替えられる機能」からは、プレイヤのゲーム環境カスタマイズという観点からいえば一段進化した設計となっている。逆にいえば、ゲームのプレイヤに対する環境占有権限を制限する仕様ともいえる。どのみち「プレイヤがゲーム側の用意した BGM 以外の音楽を聴きながらあそぶ」という状況は、サウンド設定で BGM 音量と SE 音量を個別に設定できるようになって以降のゲームでは想定されているわけだが(SE はそのままで BGM だけミュートして適当にラジカセとかで好きな曲かけてれば、20 世紀の昔からそのような遊び方は可能だった)、XBOX 360 はこれをハードに取り込んでしまった。
というような XBOX 360 以降、GBm で MOTHER 2 やってると、「どうせだったら mp3 聴きながら MOTHER 2 やりたいなー」と思ってしまうのだった。プレイやん機能と GBA ソフト機能がマルチタスクでですな、プレイやん機能使ってるとき GBA 側の BGM はミュートされて SE だけ再生、重大なイベントシーンとかだけプレイやんから音楽再生を奪ってゲーム側の BGM が鳴ったりするとエレガントだ、とかなんとか。つまり XBOX 360 と同等の環境とそれに対応したソフト開発を、時間を遡って求めたくなってくる、とどまるところを知らぬ消費者の欲望の肥大化。まあ MOTHER 2 は RPG なのだから BGM を含めて世界であり、あとそのような態度はゲーム側の BGM を(MOTHER 2 の場合には鈴木慶一氏をも)軽んじていることにもなるわけなので、ゲーオタとして誠実でないなとも思うが、快楽のチープな過剰供給欲望というか、そういう環境が欲しいときもあるのだ携帯機に対しては特に。あのー戦争とかで短時間だけ休憩していいって言われた兵士が煙草いっぺんに 10 本くらい吸いながらヘッドフォンで音楽ガンガンかけつつグラビア誌を読む、みたいなアレ。ロクな環境じゃないからこそやりたいことをいっぺんに全部食いきれないくらい過剰にやりたい、というような。下手すると「音楽とトークラジオをいっぺんに聴きたいので mp3 の同時再生機能欲しいなーもちろん個別のボリューム調整ができることが前提で」とかまで思っちゃうし。
というか、それ以前に、そのように機能をいろいろのっけてある程度大きさ重さを甘受していくべきなのか、それとも単機能に絞って小型軽量化したものを複数持ち歩くことで満足すべきなのかみたいな末端消費者としてのポリシーの問題もある。ただ、ゲームの場合は、それが混じっちゃうんだよな。たとえば音楽再生プレイヤとして iPod を持って、携帯電話を別に持つという考え方はアリなんだけど、ゲームは視覚も聴覚も拘束するのでむずかしい。SE を割り切れば、まあ iPod で音楽聴きつつ GBm でゲームやりつつ携帯電話で通話を待ち受ける、というのはアリだ。けど、音楽と SE は同じヘッドフォンから聴こえてくるという状態が望ましい。もちろんこの場合外部の音が聞こえづらくなっているわけなので、携帯電話の受信確認はバイブレーションに頼らなければならない。じゃあ複数系統の入力を受け付けるイヤホンとかが出ればいいわけか?電話のことも考えるならマイクも付属しているような?まあそういう方法もあるだろう。配線が面倒というのは無線でなんとかなっていくとして。ありそうな未来か。けどその場合でも、どの音声出力を優先してほかをミュートするかの同期は必要だ。別々の機械でもなんでも、やはり個人を取り巻く機械環境は連携されてあるのに越したことはない。最後まで取り除くことのできない要素を基本とするべき、というふうに整理してゆけば、やはり携帯電話に集約していくというのが最もよい形なのだろうが、携帯電話のインターフェースは強いていえばリモコン的な土壌であり、ゲームに求めたいゲームコントローラ的な土壌をも取り込んでくれるかどうかはわかったものではない。まあそれでも、最終的には、統一よりも優先されるべきことなどない、という話に集束していってしまうのかもしれない。
あと関係ないけど WILCOM 社の W-ZERO3(http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/ws/003sh/index.html←注:携帯電話)買うと「ひぐらしのなく頃に」を移動中にあそべるなーとか思ったけど(とりあえず「月姫」が動いてるのは確認した。タッチパネルだし操作もそれなりに快適っぽかった)、これ XBOX 360 と同じくらいの値段らしいのであきらめ。というかおれは vodafone だしな。当分機種変更とかできない。あと「たぶん次の世代の機械から買えば末端消費者的にはしあわせじゃねーの」とギークのひとにアドバイスしてもらったのでそれはそのとおりの話なんだろう。第一、あれはどう見ても電話に見えないしな。それでいいといえばいいんだけど。