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GALCON

5 分 10 分のひまができるとついつい遊んでしまう。たいへん良い買い物だった。600 円は安い。しかしこの安さは買うまでわからない。App Store の販売形態はよくねーなーと思う。月額いくらみたいな携帯電話商売は死ねと思っているのであれはイヤだが、たぶん App Store におけるアプリ販売は、いまどきのアレというよりかなり原始的な仕組みだと思うので、むしろここからシェアウェアの形式とかが登場して「新しい!」とか驚き男が騒いだりするタイミングとかもあるんじゃないだろうか。まあそういうことはいい。

  • 「その瞬間、自分を除いて最大となっている勢力の惑星を攻撃する」というのが基本だ。全員がそうしつづけることで危うくバランスが保たれ、ゲームは続く。戦わないことで徐々に、また戦うことで激しく、情勢は推移するから、この判断は常時更新しつづける必要があるが、RTS なので、目の前の敵との戦いにかかりきりになったり、集中力が切れると誤る。誤れば、傾いてしまった戦力バランスは加速度的に崩れ、決着する。なし崩しにはじまる決戦から決着までの時間が長ければ長いほどおもしろく、また、長さを維持できる面子が揃うと「あー相性がいいんだなあ」と思う。
  • ところが、操作の忙しさや集中力切れ以外に考えなければならない問題が対人戦にはある。簡単にいえば Hate 値ということになるか。セット数が嵩めば因縁みたいな状態にも発展する。ようは「バランスとか関係なく、とにかく自分を攻めた相手への反撃を延々続けてしまう」「連続で同じ相手と噛みあうゲームが続いて、競争関係として強く意識してしまう」とか、そういう感情の粘りだ。
  • GALCON は一位だけが勝利で、二位以下は敗者であるから、プレイヤは一位のみを狙うべきなのだが、こうした感情に足元をとられて「勝利するためのプレイ」を放り出すプレイヤが混じると、膠着が維持されず、単純なゲームになってしまう。自分が勝つために戦うのはむずかしいけど、「特定のプレイヤを勝たせないプレイ」ならわりと簡単だからだ。潰したい相手の主力に対して自分の艦隊の主力をぶつけて相殺してしまえばいい。そうすれば両者とも戦力不足に陥り、第三勢力が容易に勝てる状況になる。「スネオを殺してぼくも死ぬ」プレイだ。
  • ということは、特定の相手の Hate 値を上げすぎると、そいつが開幕から勝負を捨てて自分めがけて全軍殺到してくることになるのでゲームにならん、のかというとちょっと違って、「やべえロックオンされた」と思った時点で全軍をかき集めてさっさと相手から遠い領域に移動してしまうという方法がある。支配惑星をほぼ無傷で明け渡してしまうことになるが、単純な相手ならそれで満足してさらに追跡してくるようなことがない。あくまでこちらとの相殺を狙い続けるような敵なら…、相手の目が別のところにいくまで、目的地到着前に行き先を変更しまくって放浪を続け、頃合をみて適当なところに落ち着いて反撃開始、という方法になるか。かなり高等テクな気がするというか、いままで自分ではうまくやれた試しがない。
  • こういう「特定のプレイヤを Hate してしまう状態」は、たしかにゲームを破壊しかねないプレイだけど、しかしそう責められたもんでもないと思っている。
    • 理由はいくつかあって、まずなんといっても「Hate プレイを責める感情即ち Hate」なのでお前のその怒りのやり場はゲーム内でなくエチケット袋だ、ということ。感情をコントロールしない相手を感情的にコントロールしようとする人間は「自治厨」と呼ばれ、良いプレイヤとはいえない。
    • 第二に、「戦略的に無意味な Hate プレイは、政治的なパフォーマンスになりうる(この場合の政治というのは、まあ「おまえふざけんなよさっきの攻撃は相手が違っただろー」みたいな幼稚なアレなわけだが)」こと。確度は置いといて、とりあえず伝達手段の選択肢のひとつにはなっていて、そこで抜けるガスは多分ある。
    • 第三に「Hate プレイの迷惑度が低いゲームである」こと。一プレイが長いゲームで無意味に粘着されるときついものがあるけど、GALCON はサクサク進行で離脱も容易だしプレイ人口も結構多いので(いまのところどの時間帯に接続しても対戦相手が居なくて困ったということがない)、プレイヤコミュニティの空気でギスギスするようなことはあまりなさげ。とかなんとか。
    • 第四に「そうした感情の凹凸も楽しむことで、GALCON のようなシンプル戦略ゲーは味わいが深まる」こと。もともと初期位置でかなり有利不利のあるゲームで、あんまイコールコンディションがどうこうというゲームではない。開幕数瞬でだいたいは「全員が NPC だったらこいつが勝つラウンドなんだろうなー」とかいうことがわかるようになっている。が、そこに感情が絡めば、考えに入れるべきものが増えて、一気におもしろくなっていくわけなのだ。GALCON は強さを推し量り、STOP と GO を判断するゲームだから、怒りもまた判断すべき強さとして要素化できるわけだ。感情には怒りだけでなく怖れもあって、後者は膠着という形で対人戦の醍醐味のひとつにもなっている。因縁ができたときに、自分がそれにこだわらず、また相手の判断力もまた因縁から自由でいられるのかどうか、という不安、と戦いながらの膠着、そこで何なら信じることができ、それによってくだすのが GO なのか STOP なのか、という瞬間に、おれは GALCON をおもしろがっている。