matakimika@hatenadiary.jp

WELCOME TO MY HOME PAGE(Fake) ! LINK FREE ! Sorry, Japanese only. 私のホームページへようこそ!

最近の読書 - 北方三国志再読

九巻読み終わり。未帰還者でたー。ドーン。こっから一巻に一人のペースで劉備ファミリーの幹部が殺(と)られていく仁義なき最終決戦モードに突入する。魔王のごとき曹操でさえ冴えなくなり、呉はな…イマイチな…みたいなかんじになっていく流れなので、いよいよ終盤に向けて三国志任侠編開幕といったところ、ともいえるか。あと九巻は張衛が人生で一番輝いている時期でもあったか。馬超と似た者ということは、虚ろさと隣り合わせの輝きでもあるんだろうけど、しかししがらみや気負いより先に身体性に拠って動くことのできる時期が、張衛にもあったというのは、なんというか、救われるようでもあり、一層救いがないようでもあり。大局的にはこの状態になるのが遅すぎているわけだし。手遅れになってから輝けるというのは、なんかこう、おれの個人的な体験上でいっても、二流以下の人間によくみられる傾向のひとつなんだよな。

九巻終了時点では呉の印象が一番よくないが(蜀を騙し討ちしたこととかではなく、孫権曹操劉備とノリが違うキャラであることにある)、でもそれが悪印象になってしまっているのは、魏と蜀が旧世代のノリで動いている国家で、まだそっちのノリのほうが主流だからだ。魏も世代交代して曹丕の世代になれば、呉のようになる。最後まで新世代にならないのは蜀で、それは諸葛亮がその高い能力によって、新世代キャラでありながら旧世代ノリを強く継承してしまったがゆえだ。そういう意味では、孫権の出来はやはり良いといったほうがいい気がする。呉は最も早く世代交代し、最も出来のよい君主を持ったということになってんじゃないか多分。まあ描かれ方的に、以降あまり孫権を好きになれるようなシーンは無いような気がするけど。