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最近の読書

GRAW2 | 070312

北方水滸伝四巻を読み終わって二回目を流している。今回は宋江視点がメインなので、いうなれば指輪物語でいうところのフロド組、つまり戦乱の渦中からは遠い。いよいようねりが波として顕れはじめるが、宋江、つまり読者の視点は主戦場から遠く描かれない。梁山泊の兵がついに外に出て、致死軍は死地をくぐり、林冲の騎馬隊もあわや初実戦、これを描かずしてなにを、というタイミングだがしかしそこを敢えて外してくるわけだなうまいなー、先は長いんだから逸るなボウズという北方謙三氏の声が聞こえるようだ。今はまだ未明の時期。避けて通らず描かれる実戦は、正規軍が出てきてがっぷり四つというものだろう。確実に動き始めているが視点の速度がそれにおいつけているのか、読みながら漠然とした焦りと、そういうものは別として目の前の停滞をなんとかできなければ速度もなにもないという感覚。

青蓮寺がいよいよ梁山泊をその視界に捉え始め、テロから抗争のレベルになってきた。いままでは隠れた梁山泊が一方的に青蓮寺を攻撃するという構図だったが、これからは双方に騙し合い化かし合いになる。馬桂の件も気になる。描写としても、これまで青蓮寺側の分析にあったような「知りようのないことにプライオリティはつけられない」の状況が、今後は梁山泊側にも出てくる。李富のディテールが掘り下げられたのもおいしいな。袁明と洪清の関係は、さながら北方水滸伝後半の曹操と許褚のようだが、袁明は曹操のようではないので、なにかこれもまた違った印象になっていくのかもしれない。