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魔女の宅急便

旅行写真 | 060102

TV でやってたので見た。初潮!初潮!ユーミング!ユーミング!(←聞いたことある単語をとりあえず並べてみるオヤジ意識が)。

すべてすばらしく、おれの手に触れるものの何一つない完全に描かれた世界というかんじ。おもしろかった。やはり本筋のひとの描くアニメ少女は振る舞いの格が違う。千と千尋の神隠しと並べて見てみたくなった。これと並べることのできる少女アニメがほかに思い当たらないというのは、宮崎駿氏の観察眼を通した世界には、それ以外の視線を遠ざけうるだけのオーラがあるということかな。

  • TV シリーズのように長くないのでキャラクタの仕草は特に重要だし印象に残る。動きの嘘のなさ、おもしろさ、様々な動作による人となりの掘り下げ、同じ動作の繰り返しによる内面描写。すべてつながっているとまではいかないのだろうが、全編にわたって活写されるキャラクタたちの仕草の隙のなさにはただただ痺れる。心情以外のわかりやすいところでは、たとえば田舎道に元気に飛び出すキキ、浮かれて街に飛び出して危うく自動車に跳ねられそうになりジジにたしなめられるキキ、路面電車を降りたあとちゃんと左右確認するキキ、という三ステップだけでも時間の変化が頭でなく肌から染み込んでくる。
  • 「最後の飛行船事故のくだりは、確かに盛り上がりはするけど、いかにも取ってつけました感が強い。あれ別になくていいんじゃんキキの悩みはその前のウルスラとの対話によって解決して万事オッケーで、キキの物語はあすこで終わっても十分いい話なんじゃ」みたいな議論が公開当時あったよなーと思いながら、後半を眺めていたが(そういえば千と千尋でも「ハクの正体のくだりが唐突すぎ」みたいな議論あったよな、そのへんでも似てるってことか)、言われるとまあ確かにそんな気もするな。キキはウルスラ・オソノ・おばあちゃんという三世代の同性年長者に見守られてすこやかに成長し(ウルスラについては声優のひとが同じ高山みなみ氏で、そこいらへんを踏まえると内なる対話ってかんじでおもしろいんだけどそっちの話は置いとくとして)、それに関してトンボとかはべつにもともと関係してなく思える。けどまあ飛行船のくだりはあれはあれでいいんじゃないかとも思った。なんでかっていうと、成長以外のファクターが同時並行ないまぜにやってくるのに時間には一本の道しかないというのが思春期だと思うので。べつに成長だけしに修行に出たのがキキの物語というわけでもあるまいというか。我ながら雑かつ甘すぎるかなこういった感じ方というのは。適当にピュアでないほうが長い眼で見ると堅牢なんじゃないかというか、そういう話ではないのかもしれないけど。
  • エンディング時のアニメに「本編で使われてたモブの、キキ(及びそれに絡むキャラクタ)が入ってない版」が使われていて、一瞬だけ「うおッまさかいままで見た魔女宅世界のうち、キキだけが幻想だったというメタメタフィクショナルなアプローチか?」とかイヤなリアクションをしかけて我に返ったけど、そのあとちゃんとキキの後日談のほうに話がつながったのでそりゃそうだよなと安心した。メタは果てがないから一歩でも踏み出したら終わりなんだ。