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風の谷のナウシカ

荒川河川敷 | 050410

いやさすがに大作だ。すごい。考察本とか散々書けるわけだ。一息にまとめるのは不可能と判断し、とりあえず短絡的に引っかかった部分だけを視聴メモ。

  • 時代を生きた三人の姫
    • 風の谷のナウシカ
      • やさしさと苛烈さが共存する。人間の器としてはまだまだ小さいかんじだが、よりネイティブなコードに通じる力を背景にしている。ある種のスーパーハカー。巫女っぽいかんじだな。そのほか諸々の要因から、狂人とか社会の陰の面とかを微妙に連想してしまうわけだが、まあそれは下衆の詮索というものだ。
    • ペジテのラステル
      • 翻弄されて死んだ悲しい姫。登場した途端に死んでしまうので影は薄いが、ナウシカ銃口を向けたペジテの若者二人ともがナウシカにラステルの面影を見ている点に注意。
    • トルメキアのクシャナ
      • 若いが、物語中最大の軍事力をアゴで使うにふさわしい器量。クシャナのような人間を生み育てた王家が治めるトルメキアという国は、まあ問題はいろいろあろうけどもさすがにでかいなりの奥行きを感じさせる。
  • 王の不在
    • 姫様ズは大活躍だが王たちの影は薄い。風の谷のジルは飛べなくなっており、ペジテの王は不明(船のリーダーがそうか?)、トルメキアは遠征軍のみで本国の影は見えない。
  • ユパ・ミラルダ
    • 大事な場面には必ず宙を舞って登場。考えてみると宮崎アニメ最後のかっこつけオヤジ?これ以降の宮崎氏作品の中で、これほど腰の伸びた等身大の偉大なおやじは出てこないきがする。それは宮崎氏自身がおっさんになっていってしまったから?
  • クロトワ
    • 超人まみれの本作においてほとんど唯一現代的な人間くささを放つ。違いのわかる 2.7 枚目。声優が家弓家正氏というだけでもご飯三杯いける。永遠の萌え参謀。
  • 冒頭のカイとクイ
  • オープニングの巨神兵イメージ→腐海巨神兵の化石
    • 無駄のないかっちょいいコンテだ。化石巨神兵メーヴェで一回なめて、さらにもう一度銃声を聞いたナウシカに登らせている。巨神兵のスケール感の正確な把握は、クライマックスに登場する生巨神兵の大きさの理解を補助している。
  • 王蟲さん&腐海の蟲たち
    • 怒ってるときは恐ろしく、なんでもない時にはどことなく愛嬌を感じさせる。描かれ方に明快な意図が感じられ、このへんもうまいなーと思う。
    • 海外では、王蟲の触手はうろつき童子(海外タイトル「HENTAI」)の触手と同列で讃えられているというのはほんとですか。
  • トルメキア軍の風の谷侵攻
    • 完璧な電撃戦
    • 船団が山間から低空侵攻するのはあの角度からでないと目標地点に着陸不能であるからと推測。目と足のあるコルベットが鈍重な後続の船団を先導している。
    • 船団はそのまま谷間に強行着陸、兵隊や戦車がドカドカ出てきて周辺制圧開始。
    • コルベットは城へ直行、部隊が屋上から進入、ナウシカの俊足でも間に合わないほど素早く制圧を完了した(このときナウシカがジルの部屋に飛び込んだドアがやけに小さいことに注意。ガンシップ格納庫直通の隠し通路?)。
    • 入り口を大兵力で塞いでしまい、続いて速攻で頭を押さえ、住人に反撃態勢を整える時間をまったく与えなかった。
    • トルメキア軍見事すぎ。これほど完璧な侵攻のためには入念な事前調査が必要のはず。おそらく風の谷には以前からトルメキア軍の斥候が出入りして(または現地に詳しい人間を買収恐喝。谷の住人に協力者が居たとは考え難いため、辺境一円の地理に詳しい旅商人などが考えられる)、付近の地図や拠点の情報を得ていたのにちがいない。たまたま巨神兵を乗せた大型船が墜落したからとか、そんないきあたりばったりの作戦ではありえない。時期は早まったかもしれないが、いずれ風の谷占領は計画されていた。そのことは広場での演説後のクシャナとクロトワの会話からも伺える(勘ぐりすぎかもしれないが)。
    • 機動力の乏しい大型船で山間を抜ける飛行は必ずしも安全とはいえないだろう。強力な歩兵団や戦車があるのだから、船団をひらけた場所に安全に下ろして正攻法で谷に進撃する選択もトルメキア軍にはあった。ただしそれだと時間もかかり犠牲も出た可能性がある。いきなり本拠地に乗り込んだのは、情報力を背景にしたクシャナの決断力あったればこそだろう。クロトワの参謀力もあったかもしれない。
    • 付け加えて、伊藤悠氏も言及しているが(→http://d.hatena.ne.jp/ityou/20041124#z-wtpクシャナの演説を遮るババさまの立ち振る舞いはまた凄絶なものがある。
  • 大海嘯の最悪の時間
    • クシャナ巨神兵)・ナウシカ(蟲質返還)両王女による解決策が相次いで失敗
    • 地を覆い殺到する王蟲の群れ
    • 希望はすべて断たれた。後には地獄しかない。あの場面が完全な絶望として描かれていることにいまさらながら気付いた。映画館で見たときにはわけわかんなかったし、以降 TV とかで見たときにはオチを前提として知ってたから見落としていた。たぶんとても重要なポイントだ。
  • 谷に取って返して巨神兵を連れてきたクシャナの往復時間を考えれば酸の海のほとりと風の谷はけっこう近所。あれだけの数の王蟲が押し寄せたのだから、撒かれた胞子の数も相当なものだろう。巨神兵の光線で消毒されたぶんの王蟲の死体はいいとして、それ以外で力尽きた王蟲とかは居なかったのか。物語終了後、腐海は風の谷のかなり近くまで進出してしまったのではないか(王蟲の金色触手で浄化された?)。