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まだ誰にも読まれたことのない本 その1

情報として読むことも可能な実体、それが本というものだ。まずなによりもマテリアルである。でなければまずそれを手に取ることができない。逆にいえば情報という手で触れることのできないものを手に取れるよう封じ込めるために生まれた様式が本であるとも考えられる。持って触って納得したいという欲求だ。見て聞いて納得したいという欲求と並んで、人間のそれはとても強い。それでなければなにを把握し、感覚することができるというのか。

だから本は実体としてあってこそ本だといえる。表紙をなでてみるもよし、適当にパラパラめくって手触りをたのしむもよし、ちょうどいい厚さなら枕にだってできる。まあ電子ブックとかになったら、それはまたちょっとちがったものになるのかもしれない。

そしてまた実体はそれ自体情報のかたまりだ。情報の多くは実体に派生し、またどんなに縁遠くても必ず実体との接点を持つ。実体は情報を生み、またそのものである。ということは、本から読み取ることのできる情報には「本の内容の情報」と「本自体の情報」の大きく二種類があることになる。情報を読み取っているそれが本なら、そこに描かれている物語は二種類ある。

…なんでカテゴリに「坂本真綾」が入ってるかというと、この「まだ誰にも読まれたことのない本」というのはそもそも、坂本真綾「夜明けのオクターブ」の中でおれがひっかかった詞だったからだ。気のせいかしらないが、坂本真綾氏の歌には、こういった聴者に線引きを要求する詞がときどき混じっている。その混合比は、おそらく氏の芸能性やアイドル性と合致していると思う。