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思い出話関連

いまはどうか知らんが、おれの時代の小学校テストは、100 点以外を取るのが困難な超易問バトルだった。そんな状態だったから、高学年になって学習塾に通うことになったとき、入塾テストで 70 点くらいだったときは、「ひどい点数だ!」とショックを受けたものだ。が、そうでなければテストというものはおもしろくないということが、すぐに実感できた。

点差のつかないゲームは所詮教師 - 生徒の 1-1 しか接続しない。生徒間に点差がつきうることで、競争心やライバル意識が生まれ、「クラスの中でテストが行われること」に意味が生じる。こうしてテストはマルチプレイになった。生徒の理解度を測るとか、教師の役にしか立たないテストで生徒は盛り上がらないのだ。塾内のレベリングとか当時の地方お受験界隈の神バランスとかに依存する部分が大きいんだが、当時おれにとっての中学受験はなかなかの良ゲーといえた。

…で、その学習塾で、おれとほぼ学力拮抗して互いにライバル視していたのは T ちゃんという女子で、本番(お受験)入試での自己採点もほぼ同点だったんだけど、多分志望中学の倍率の男女差が理由で、おれは受かって T ちゃんは落ちた。合格発表の日の塾の教室で、帰り際の彼女の背中に声をかけようとしてかけられなかったのを覚えている。苦い。

なんか、いつも一緒に同じゲームして遊んでいて、本番とはいっても結局自分にとっては「nn 戦目」みたいなつもりだったのに、なんだかその一回だけで決定的なことになってしまった、ということに気付いて、「ごめんごめん、もう一回」と笑いながらゲームを続けようと思っても、これがゲームだというのはおれたちの勘違いに過ぎず、自分で新しいゲームを始める力も持っていないし、第一もしかすると彼女は最初からそんなふうには思っていなかったのかもしれない(小学校中学年〜大学生あたりまで、大抵の男子は同学年の女子と比べ精神年齢において立ち遅れる状況が続くのだ)、という想像に思い当たる、というような。

システムがなければ生まれなかったライバルが、システムに奪い去られてしまった、突然に。マジかよ、マジになるなよ、でもどうやらマジだったよ。思い返せばそんなかんじだが、当時そんなにいろいろ考えたわけではないので、なんだかぼんやりとした思い出だ。自分が合格したことは、一応嬉しくはあったし、おれより喜んでそうな母の手前もあって、あんまり言わなかったけど、どっちでもよかったのだ、受験勉強がおもしろかったから熱中しただけのことで、合格を目標としてはいなかった。合格してしまうと、もう皆と受験勉強ができなくなる、という実感が寂しく、なんだかうまく握り拳を作れなかった。皆と別れて坂道を下りながら、両手をグーにして走った。