パワフル叔母ちゃん

忘れた頃に叔母から電話がかかってきたりする。叔母は、アメリカ人だからなのか、やたらパワフルでドライで、陽気だ。電話かけてくる時間帯について、時差のことをまったく気にしないあたりも、叔母らしさとしてじつに自然で、なつかしい。電話口からあの特有のアメリカくさいにおいが漂ってきそうな気さえする。電話の向こう側の空気感と比較すると、こっちは止まない霧雨の中で生活しているようなものだ。いつも突然かかってくるので、こちらから何か伝えとくことがあったような気がするんだけど…と思い出そうとしているうちに、電話を切られてしまう。こっちから電話しようと思うこともあるけど、番号を知らない。

そういやなんで電話番号を知らないのかというと、着信表示に「通知不可能」と出るからだった。国際電話かかってくるとあいての番号わからないんだよ。「番号非通知」とも違うので、画面を確認するとき霊界通信か何かじゃなかろうかとギョッとする。国際電話以外にも、一部の IP 電話とかでこの表示になるらしい。

…あ、そうだ「こっちから連絡したいときはどこに電話すればいいの？」という質問を、次連絡あったときに聞こうと、五年くらい前から思っていたことを、今思い出した。毎回忘れる。住所はどっかにメモってたような気がするから、手紙で聞くかな…。