FALLOUT 3
OBLIVION の Bethesda 社新作、Fallout 3 の日本語版。おもしろいことは確定しているのだが、買うのは躊躇った。時間を食いすぎるのがわかりきってる。けど誘惑には勝てず。終わった。おれの年末年始終わった。
核戦争で一旦滅んだアメリカ、の 200 年後の世界。密封された地下シェルターで生き延びた人類が、シェルターのシールが充分でなかった順に徐々に地上に這い出して、細々と昔の文明の痕跡を食い潰しつつ、生き延びたり死んだりしているかんじ。主人公は、現在でもかなり高い水準で密封性を保っているらしい地下シェルター Vault 101 の出身。序盤のチュートリアルが、主人公が生まれてから成人するまでの Vault 101 での生活になっていて、ひととおりの操作がわかった頃に重大事件が発生、シェルターを追い出されてしまう。まさに右も左もわからずどうすればいいんだ状態。
- ローカライズがすげえちゃんとしてて感心した。好感度高いぞこのやろう。英語音声&日本語字幕だと思ってたのに、音声まで日本語だった。
- Vault 101 は、かつてのユートピアが腐りかけている、というかんじの生活。モノ不足、狂気の陰がそこかしこに。うーむ、生まれる時代は選べんよな。
- のっけから巨大ゴキブリが登場、オエッとなった。そういや Fallout 3 買うの躊躇っていた理由のひとつがこれだったと思い出したよ…。
- G.O.A.T. 試験を受ける際、所定の机以外に横入りして座るとハマる(カメラが動かせるが状況を解決できなくなる)ことを発見した。
- G.O.A.T. は適当に受けたからか、適職はコックと判定された。
- 監督官の部屋に忍び込んでパスワードを盗めといわれたけど、見付かって普通にバットで殴り殺してしまった。結果としてパスワード入手、娘の名前だった…アイムギルティ。
- で、外へ。見事な夕焼け、広大な世界。なんかちょっと感動する。…そのまましばらく眺めてたら夜になって周囲真っ暗。おいおい。右も左もわからんのに。
- 山を降りたところにある廃墟をウロついてたら、へんな浮遊ロボがうろついてた。特に攻撃とかされたわけじゃないけど、攻撃できるから咄嗟にバットで叩き壊してみた。あとでわかったけどこれ敵じゃなかったっぽい。野良クリーチャーとか攻撃してくれているロボだ。
- 真っ暗闇の中、隊商と出くわす。最初なにか居ることに気付かなかったので、いきなり話しかけられてびびった。攻撃しなくてよかった。でも文無しなので特に買うものもなく。近くにメガトンという街があるというので、とりあえず行ってみることにする。
- 闇夜にサーチライトが上がってるのを目印にメガトン到着。保安官に話を聞いて、適当に散策。わかりづらい構造だが、基本的にはクレーターの一番底に不発弾(放射線が出てる)があって、とりあえずそこからあちこち行けるというふうになってる。でも夜なのであんま店とか開いてなくて困る。
- メガトンは Vault 101 と対称的だ。狭苦しい地下ではない。ひとの会話に穴倉の息苦しさはなく、垂れ流しだ。かといって荒野は危険すぎるので、クレーターを廃材で取り囲んで街を作った。元からそこにあったのは中央の核爆弾のみで、ほかはすべて外部から持ち込まれたから、まともに設計・管理されておらず、Vault 101 のように修理して本来の使い方を維持することより、ジャンクとしてより低級な用途に使いまわすのが主だ。乱雑な再構築で、元あった直線のツギハギですべてがねじ曲がっている。その捻じ曲がりは、病的ではなく、ダウナーなかんじ。
- アトム教団とかいう核爆弾崇拝集団が居るらしい。教義など暢気に聞いていたら爆弾に近付きすぎて放射線浴びてしまった。
- 不発核爆弾の起爆装置解除ができるかなと思ったけど、スキルが足りないらしく無理。
- 水道管が壊れてるという話で、修理を手伝おうかと思ったけどスキルが足りないらしく無理。うーんスキル割り振りが中途半端だったかなー。
とにかく右も左もわからなすぎておもしろい。記憶喪失の人間がいきなり複雑な人間関係に放り込まれるようなかんじ。邦ゲーの場合チュートリアルやガイドというと、システムや操作のほかに、プレイヤが世界に定着するための緩衝材の役割も負うものという認識があるんだけど、Fallout 3 の場合チュートリアル相当の Vault 101 の生活からすぐに放り出され、なにもわからずガイドも居ない状態からがゲームのはじまりだ。ひととおりの操作と大目的ひとつは教えたから、世界の輪郭は自分で掴めというデザイン。実際おれは世界のことをなにも知らず、世界の住人にとってすでにある世界観は自明だから、出会う相手のペースが速すぎて混乱する(最初から遠慮なく固有名詞がポンポン出るし、またはなぜ殴られるのかわからないのに襲われる)、が、いろいろ聞いて回ったり体験しているうちに、ああ、あれのことかとか、なるほどこういうことだったのか、と合点がいき、徐々に脳内に Fallout 世界がイメージできはじめる。とはいえ、やはり世界は広く、アフターマス世界とはいっても人間の数は多く、暮らしでもネットでもひとの名前をほとんど認識しないおれのような人間にとっては、かなり厄介だ。が、まあそんなことをあまり考えずに遊ぶことだってできる自由が Fallout 3 にはある。
あと、本作はフィールドでボサッと突っ立ってるだけでも徐々に放射線によるダメージが溜まっていき、放置してると死ぬという設定になっており、これを回避するためには薬を飲んだり医者に治してもらったりする必要があるようだ。また、時間経過では体力が回復せず、食い物や薬を飲んだりベッドを探して寝たりする必要がある。というあたりから、(実際にはそうでもないのかもだが)Oblivion のような「もうなんか人里とかめんどいので延々荒野を彷徨うだけのストライダープレイ」みたいなのがやりづらい気がした。生き延びるためには、どこかでは必ずひとと係わっていくことが必要という。…まあそんなことを考えるのは、おれがアジア版 Oblivion で英語よめずコミュニケーションに失敗しまくり「いいもーん誰とも関わらず山を歩くひとになるもーん」みたいなゲーム内非コミュとして荒野をほっつき歩きまくり、結局まったくクエストとか進められず未クリア放置してしまっているという過去があるからかもしれない。今作 Fallout 3 なら、いけそうだ。関わらねば生きていけず、関わればクエストが生じ、生じれば目指す。わかりやすい。
放射能、か…とか思いつつ Fallout 3 遊んでると、ミネラルウォーターがまずいまずい。この水も汚染されてんじゃないだろうかとか漠然と考えてしまう。水がどうのというか、さっきから妙に身体が重くて頭が痛い… 3D 酔いだった。うう。しまったこのゲーム結構酔うかも。Oblivion 途中でやめちゃってる理由のひとつもそれだった。やばい。怖いのと酔うのはおれにとってかなり厳しい条件なんだよなー。