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最近の読書 - 北方水滸伝再読

最終巻終わった。終わったなあ。

童貫率いる禁軍は「武力 100 オーバークラス(=呂布林冲、耶律休哥らへん)の騎馬隊が居ない」以外の要素では北方時代小説界でおそらく最強の軍、そして梁山泊軍は「童貫に匹敵する総帥が居ない」という要素で禁軍に劣るものの武力 100 オーバーの史進・楊令を抱えるこれまた最強の軍、という FSS も裸足で逃げ出す最強対決がミッシリ描かれる最終巻。兵力差と戦略で先手を取る禁軍に戦術力で対抗する梁山泊軍という流れで推移。一瞬で決まるはずの競り合いが一冊分続く。普通ならもうここで決まってるだろというところで決まらない。劣勢に立っても何度でも持ち直すのは、押されてるほうも最強だからだ。しかし流れを覆すのには至らない。最強の質の違いというかなー。

北方時代小説が FPS あるいは TPS 小説であるという話は以前書いたけど(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20080523#p2)、そのへんで 19 巻は、合戦描写のビジュアル再現能がオーバーフローする巻でもある。全体図は部分像の総体として立ち現れてくるけど、部分がめまぐるしいので追いつかないのだ。さらにいえば「常に誰かの視点で描かれる」に加えて「同じ時系を反復して描写することはない」という制限があるので、「このときこいつはこうなっていた、一方こいつはこうなっていた」というふうな整理も紙面では行われない。その行に描かれる一箇所以外は過去形でしかわからないのだ。あたりまえだけど、オーバーフローして逆に脳がひまになると、そんなことを考えながら読んだりしていた。とにかくにも、ここまでやれば全員が天晴れというかんじだ。納得するしかない。

楊令伝はやく読みたいんだけど、なにせハードカバー版すらまだ終わってないんだよなー。文庫版に落ちてくるまであと何年か。待てるかなー。歩きながら読むというおれの読書習慣上、文庫で読むのがもっともしあわせであることは自明なのだし、待つ気ではいるのだが、厳しいかも。いまのテンションを押さえ込むのはかなりむずかしい。しかし、その前に、楊家将のほうの続編「血涙」が文庫にならんものか。それなら待てそう。

ていうか Amazon の「血涙」(http://www.amazon.co.jp/dp/456965813X/)上巻のページ見てみたら「なか見!検索」に対応しておるではないか。罠だ。ボタン押したくなるー。でもハードカバーなんじゃよー。値段そのままでいいので小型化してくれんか。文庫というカテゴリをそういうものとして扱ってくれても構わんよこのシリーズに関しては。