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発掘用途インターネット関連

集合知大好きっ子(≒web 2.0 的なんらかジェネレーション)界隈って向学心が高くて偉いなあと思う反面、誰もコントロールしないことによっても情報は偏向しうるという例よなと思うこともあり、単純ではない。というあたりを軽くメモしとく。ようは、結論ありきの根拠探しになった場合の問題。

  • 「ハンマーを持つ人には、すべてが釘に見える(If all you have is a hammer, everything looks like a nail.)」
  • 「〇〇は正しい」という仮定のもとに、その正しさを補強するための材料を探そうとしたときに、いまどきは情報の量が多いので、なんとなく〇〇の正しさに関係がありそうなソースって大量にみつかったりする。でもそこで「〇〇は本当に正しいのか」と「個々のソースはほんとに〇〇の正しさと関係があるのか」は、きちんと検証しないといけなかったりする。んだけど情報集めるだけで疲れきっちゃうと検証作業まで手が回らなかったりする。
  • 「それがある」という文脈に入り込むと呪われる。それが正しいか、効果があるか、関係があるか、に関わらず「それ」を信じてしまっている状態。一旦その意味の圏内に捕われてしまうと、どこにでもその意味を見出してしまい、一層意味が強化され、自動的に文脈に加担してゆくことになる。そして文脈下に一定の層が形成されると、宗教的になっていき、あるいは文化や様式に発展したりもする。つまり、「それがある」と信じているコミュニティの中で、「それ」は確かに存在するものとして扱われる。もともとそれがあったのなら、別になんの問題もないのだが、実際にはないものが「あった」と既成事実化されるのは、あんま科学的じゃないなーというかんじがする。科学は二十世紀と共に死にましたか。
  • そういう文脈を悪用すると、へんな状態を作ることができたりする。
    • たとえば、QWERTY 配列というものがある(http://ja.wikipedia.org/wiki/QWERTY%E9%85%8D%E5%88%97)。現在のキーボード配列のデファクトスタンダードだ、が、この配列普及のきっかけは、べつに明確な科学的根拠に基づいてはいなかったりする(「科学的根拠」の主張による対抗陣営との論戦は激しかったようだが)。とりあえず現時点でおれにでもいえることは、「なぜ QWERTY 配列がデファクトスタンダートなのかといえば、これまでがそうだったから」「キー配列の習得が所要コストの高い行為であるかぎり、一度覚えた配列を現在のユーザは手放そうとしない」「現在までその方法でうまくいっていたものをリプレースするなら、新しい方法は旧来のものより「圧倒的に」優れていなければならない」らへん。
    • でも、そういう QWERTY 配列からでも、「結論ありきの根拠探し」でこねくりまわせば「QWERTY 配列がこれだけ普及したのには科学的な根拠があるはずだし、事実普及しているんだから QWERTY 配列はほかの配列よりも優秀」(歴史からつながる現在には結果的な正しさがあるはずだよ派)とか「QWERTY 配列を考案した Christopher Latham Sholes 氏は神」(クリエイター幻想を強化するためならなんでも利用するよ派)とか、おいおいそんな話だったっけみたいなアレが。

主体的な選択としての他人事ならべつになにがどうなってもいいんだけど、気が付かないうちにへんなふうに動員されたことに、結果的になってしまっていた、みたいな状態になってしまうのは、誰にとっても不本意だろうから、気をつけときたいことのひとつではある。…とはいえ、しかし、こういうのって、遊びとしてやってるぶんにはかなりおもしろいわけなんだよね、それも問題っていうか。たとえば往年のインターネットには Key で哲学語ったりガンガル社会学語ってたような人文マッチョなオタのひととかが居たわけだけども、ああいうかんじの遊びは、当事者だったらかなりエキサイティングだったろうと思う。語ってる当人たちは、(どこまでマジだったかは置いといて)多少なりと「あくまで遊びとして」という意図を持っていたものと推測するわけなんだけど、ステージ上で遊んでいた彼らほどには賢くない側の、しかしシーンを追っかけるのには熱心なあたりのファンのひとたちは、それが遊びなのかマジなのか区別できてなかったのかもしれんわけだよね。そこいらへんで、へんに人生狂っちゃったりすると、おもしろくはあるかもだけど、まあ笑い話では済まないというか。なんまんだぶファウンデーション