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ペイル・コクーン

ペイルコクーン

スタジオリッカ・吉浦康裕氏作品。同じひとの「水のコトバ」を DoGA CGA コンテスト入選作上映会で見て、いいなあと思ったので、その代金分という意味あいでも、DVD が出たとき買っといたんだけど、なんとなく視聴モチベーションが溜まらないまま引越しとかもあって、いままで見ていなかった。一応開封はしてあったんだけど、見た記憶がない。三年くらい寝かせてたことになるか。で見たんだけど、いや予想外にちゃんとした短篇だった。おもしろいじゃんこれ。さっさと見とけばよかったよ。本作においては、「個人制作として」とか「CG ムービーとして」的なエクスキューズの枠を突き破る、というほどのポテンシャルは感じなかったんだけど、境界線のギリギリのところで巧妙なことをやっている作品だと思った。中盤以降、「CG ムービー見てる」じゃなく「ふつうにお話を見ている」って気分になったものな。こうした感覚の味わえる作品は、多くはない。個人制作ムービー界隈では、いまやビッグネームの一人となった新海誠氏の印象がよくもわるくも鮮烈で、つまり新海誠的な良さのイメージと同時に新海誠氏作品的なダメさも、視聴モチベーションを腐食してしまいがちで、どうもいかん。あの毛色はやはりあれなりの希少種ってことよな。

「水のコトバ」のときはあんま意識して見てなかったんだけど、吉浦康裕氏はカメラワークのひとなのかもしれんね。3DCG ムービー作家として、それはむしろ自然なことなんだけど。新海誠氏が、あのとおり背景とレンズフレアのひとで、(おもしろ画角のカットの印象が強いためもあるが)あまりカメラを動かさず定点カメラを切り替えていくかんじになるのに対し、吉浦康裕氏の演出はカメラを動かすことで成立していて、基本の上に組み上げたトリッキーってやつかなあと素直に感心したりした。「カメラの一人称」のことを強く意識する作品。WAFL 氏が「ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」の感想エントリで取り上げていた(http://d.hatena.ne.jp/WAFL/20071119/p1)ような技法もあった。自由自在にやってるなー感。ここに意志の重さが加わってくると、一般作品と溶け合っていくのかもしれない。