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おいしそうな匂いと暴力的なリアル

人間はおいしそうな匂いの漂っている場所でシリアスになることができない。ということを、こないだ部屋の窓あけたらスキヤキの匂いが漂ってきて思った。べつにそこまで腹減ってるわけじゃないのだが、なんとも居心地のいいかんじになってしまってメロウな気分が台無し。これはたとえば「失恋したのに腹が減って身体性がうらめしい」とか、あるいは「可能性に押しつぶされそうな自意識や喪われた未来への絶望感を抱いて、それでも傷だらけの心で立ち上がり、右手首を左手に握り締めて力の暴走を防ぐポーズで「このセカイが…!」「ぼくの速度が…!」とか呟いてたら台所から「ヒロシー、ごはんよー」とか母ちゃんの声がして全部台無し」とか、そのての状況に似ている…ってかんがえると、スキヤキの匂いも案外悪くないものだ。頭で練り上がった心象風景などくだらない。おれの脳がそこになくたって変わらず存在しているのが本物の風景であり、スキヤキの匂いだ。食欲がそれを教えてくれている。本能は正しい。本能が間違いだというなら、それは種の限界だ。たぶん人類はまだまだ衰退していないのだろうから、当座限界のことまで心配する必要はない。瑣末なものを重大視して自滅したくはない。瑣末だからどうでもいいというわけでもないが。かりそめのメロウを叩き割ってカレーを食いに外に出る。