今日の早川さん
こないだ買って読んだ。はてなグループで描かれていたまんがの書籍化とのこと。そういえば何度か読んだことがあった。おれのマッピングでいうと、はてな界隈発の書籍化という意味で「和風 Wizardry 純情派」の自費出版版を買ったのと同じ流れということになるか。
オタクと近いらへんに居る女子関連を取り扱った web まんがの書籍化といえば思いだされるのが「となりの 801 ちゃん」(http://www.amazon.co.jp/dp/4776793024/)だったかなー(あれは最初読んでてだんだん読まなくなって、ほう書籍化となー、というあたりでなんとはなしにストリーム観測から離脱するかんじだった)。それと別に「腐女子彼女」(http://www.amazon.co.jp/dp/4757730594/)というシリーズもネット初の書籍として売れてるっぽいんだけど、はじめて知ったのが本屋でネットのどこで話題になってるのかいまだによくわからん。あと女子でなく男子方面でいうと「ぼく、オタリーマン。」(http://www.amazon.co.jp/dp/4806126756/)てのも web 漫画界隈で有名なインターネットのひとのコンテンツの書籍化らしい(なおこの漫画における「オタリーマン」の「オタ」は「コンテンツ消費としてのオタ」でなく「コミュニケーション不全としてのオタ(ようはオタでなく非コミュ)」と、「電車男」以降的な「一般向けとしてのオタクイメージ」の流れに調整されてあるらしいが、それもまた聴きの話なので以下略)。これも本屋でしか見たことない。インターネットが狭くていかんなどうも。ていうか考えてみるとあんま web 漫画界隈を見てないわけだよな。
もちろんその先鞭は「2ch で話題の」という看板の「電車男」(http://www.amazon.co.jp/dp/4104715018/)であり、また「mixi で話題の」という看板の「59 番目のプロポーズ」(http://www.amazon.co.jp/dp/4568221226/)だったりとかして、まあそのてのコミュニティ発って部分からブログ発ってあたりまで降りてきたかんじかなー、というのが概観だろうか。どうも書籍化する類の企画モノというのは、つまるところ「ネットからネット以外へリーチ」という商売自体の構造を「オタクから非オタク読者へのリーチ」という作品内容の傾向として比喩しているようなところがあって、つまり「オタク」がわりあい重要な単語になっていたりするわりに、あんまオタク当事者には関係のない話というか、最終的に「オタクに届いてほしい」というような閉じた設計では企画されていないかんじだろうから、オタクとしてこの商売の客になってみようかという本が、基本的にないわけなのだ。そのへんでいうと、「今日の早川さん」は、明らかにもうべつに「ネットからオタクへ」という閉じた企画をやっているかんじで、ああこの売り場はおれにも関係あるね、というかんじで、ふつうに買った、という按配。だろうか。