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逆転裁判 4

パチンコ屋の看板

クリアした。おもしろかっ………た、かな。なんか最後のあたりの展開に、全般的な「おもしろかった」という気分が攪拌されているかんじだ。ちょっと漠然としている。よくわからん。

  • GBA 版三部作にあった弁護士側 vs 検事側のポジショントーク問題は今回見られない。成歩堂・御剣時代のような「なにがなんでも信頼」「なにがなんでも有罪」の対立ではないということだ。まあそれは前シリーズが解決したテーマでもあったから、今作でもあいかわらずだったなら(シリーズの継続的なファンとしては)失望材といえたかもしれない。牙琉検事は最初からバランスが取れており、真相究明のため有効と判断する限りにおいて王泥喜にかなり協力的ともいえる態度を取る。ここいらへんは好感材だが、反面敵役としての強引さには欠けるともいえたか。
  • クライマックスが激動…というか、微動だにしないがこれまでのシリーズのノリからするとかなりの超展開。なにかおもしろいものを見たという感覚はあるものの、それがおもしろいゲーム体験だったのかというと…、「これからおもしろいものをのっけたらすごくなるのかもしれないプリプロを見た」とでもいうような感覚。そういう意味では次回作に期待が持てる幕引きだったともいえるか。一発芸というか反則技みたいな、舞台のふくらましから幕引きまで絡む部分なので、これをネタとしてちゃんと引っ張っていけるのかとか全然わからん。
  • これまでの逆転裁判というゲームの枠の外側に出るシステムというか、モードというか、パート…なのかな、ともかく、そういうものが入ってくるのだが、体験をどう感想として回収したものかな。遊んでて結構混乱した。真相究明ゲームの途中で一人称が変わるというのはアクロバティックだと思うが、そのうえさらに視点はメタの領域まで外れた、かと思いきや、予想外の人物の視点に帰着して、それはまあおもしろいんだけど、どうなんだ、いまおれこの時間帯ゲームプレイとして楽しかったっけ?という部分に自信が持てない。現代 ADV の機軸開発はここまでやらねばならんのかという驚きみたいなものもある。
  • 被告人は訴えられた件では無実だが、それ以外のなんらかの嫌疑をかけられてもおかしくないことを過去にやっている、というのが今回のポリシーか。

ゲームを終えて漠然と考えたのは、なぜか STAR WARS の旧三部作のこと今作を素直に SW における Last Hope に見立てるかんじなのかな。もちろんいろいろ違うんだけどなんとなく。旧三部作で活躍した人々の姿はなく、新たな流れを汲む超能力の血筋、貴種流離譚、血縁との意外な再開、とかなんとかSW は 4,5,6,1,2,3 というふうにイレギュラーに接合された物語だけど、逆転裁判が 1,2,3,4,5,6 というふうに続いたとき、ちょうど SW みたいなかんじに大きな流れとして収まっていくのかもしれないなーと、希望的な予知をしてみた。

それにつけても、あのシステムはな。どうなったものか。いやまだシステムというほどには固まっていない印象を受けた。まだガワだけ新しくしただけでとりあえず強引に旧来のシステム上でデモンストレーションとして動かしている、とでもいうような。それこそこれは、試験導入ということだったのかもしれないが。浅慮にはおもしろくできそうなアイディアなど山ほど出てくるだろうが、まさか本当にキャラクタの一人称で時空を超越するわけにもいかない以上、あれはやはりあくまで疑似体験に留まるべきものだ、が、すでに今作で微妙に疑似体験以上の領域に踏み外してしまっているようにも思えた。そこは洒落っ気ということなのかもだが。あとさらに、それらゲームプレイ体験についてプレイヤ視点にどういう一貫性をガイドするか、という部分が今回わりと投げっぱなしだったように思うので、そこについては今後の課題なんではないかと思う。

ともあれ、旧三部作は 3 ですでに既存システム上で量的限界をちょっと超えたところまで行ってしまったとおれは思っていて、その意味新シリーズとなる今作の課題は(ハードが GBA から NDS に移ったこともあって)シンプルイズベストに徹すればよかった世代からの価値転換と、さらに逆転裁判世界(≒システム)の質的な意味での拡大、あたりかなと、曖昧に思っていた部分について、きちんと考え抜かれた痕跡が感じられるなとは思った。それがどういう結論だったのか、まだ読みきれていないのだが。そのへんはまあ、たぶん逆転裁判 5 が出てから考えても遅くはなさそうだと思って、のんびり構えてもいる。