matakimika@hatenadiary.jp

WELCOME TO MY HOME PAGE(Fake) ! LINK FREE ! Sorry, Japanese only. 私のホームページへようこそ!

映画とゲームとローカライズ

おれは家庭用ゲーについては、それなりに輸入ものの(西)洋ゲーとかも遊ぶひとなんだけど、「日本語版じゃないから困った」というようなことがあまりない。理由はいくつかあるが本質的には、

  • べつに言語わからなくても遊べるようなタイトルを選んで買っていて(要するにアクションが楽しいゲームだけ)、逆に英語がわからないと楽しめないようなタイトルは買わないようにしている

の一事に尽きる。PC 用洋ゲーをあんまりチェックしないのは、大雑把にいうと、PC で遊んでこそおもしろいというようなゲームには、家庭用より若干言語理解を必要とするタイトルが多いから(導入にせよゲームプレイにせよ)。ディスク入れて動けば遊べる、遊べたらもう大概はこっちのものよ、くらいの単純さの有無で割り切っているようなところがある。

もうちょっと補足すると、

  • ゲームプレイに関係ないと割り切れる程度のストーリーなら理解できなくても問題ない(「よくわかんないけどあそこ行ったらいいんですよね」「一位でゴールすれば文句ないでしょ」「まあ要するに点取ればいいんだよね」「とにかく全員殺せばクリアでしょ」ってことだ)。
  • メニューやセレクタは、日本語だろうと英語だろうと(中文だろうと)配置はほとんど一緒だし、使われている語彙もそう難しくないし、「たぶんこのボタンはこういう意味だろ」とあてずっぽうに押していってもどうにかなる。人生と違ってゲームは何度でもやりなおせるんだし。
  • ある程度細かいニュアンスを理解する必要のあるゲームは(条件が複雑だとか達成目標がわかりづらいとか)、ネットで有志のひとが日本語で攻略 Wiki とか作ってくれていたりするのでそれを参照しながら遊ぶ。

とかなんとか。車を運転するゲームや人を殺すゲームで言語の壁で往生したということはほとんどない。スポーツゲーとかはいわずもがな。べつに野球やサッカーは洋の東西でそうルールが違ったりはしない(ローカルルールが多少違ったりはする / アメフトとか馴染みのないスポーツはルール全然知らなくてわりと困ったりするが、まあそれはゲーム以外のドキュメントがネットなり本屋なりに豊富にある)。ゲームはキーコンフィグとゲームシステムへの理解さえ阻害されなければ、言語の壁とかべつに越えなくても楽しめるようにできている。

…というあたりから、殊に洋ゲーに傑作の多い XBOX 360 ユーザとして、ぜひ日本で気軽に 360 用洋ゲーをバンバン流通させていってほしいわけなのだが、諸般の事情でむずかしく、その中のひとつがローカライズの壁だなという話になった。大雑把にローカライズのレベルを書き出すと、

  • Lv.0
    • なにもしない。現地のものをそのまんま輸入。リージョン設定が問題なければ日本の本体でも動くよ、または日本版の本体じゃ動かないので北米版本体とか買いなよのレベル。
    • 要するに現在 Playasia とかカオス館とかゲーハリとかで買えばできること。
  • Lv.1
    • パッケージは日本語に。日本語マニュアルも用意(全部翻訳するか簡易マニュアル添付か)。必要があれば映像信号出力やディスクのリージョン設定を国内本体向けに変更。
    • 初代 XBOX のワーコレ(http://assets.xbox.com/ja-jp/games/worldcollection/)がこれに相当する。
  • Lv.2
    • ほぼ十分な日本語版。マニュアル・パッケージ日本語化。ゲーム内メニューやテキストは基本的に日本語化。音声は原語のままだが字幕を日本語に。
  • Lv.3
    • 完全日本語版。マニュアル・パッケージ日本語化。ゲーム内メニューはすべて日本語に。音声は日本語吹替。原語の音声を選択可にするかどうかはタイトル次第。
    • MSKK が初代以来一貫している「正しいローカライズ」の水準はこれ。

で、おれとしてはスポーツや単純な残虐ゲーはべつに国内本体で動作さえすれば Lv.0 でもいいし、ちょっと複雑なゲームなら Lv.1 でいいし、そしていちばん層として厚くあるべきなのは Lv.2 程度のローカライズなんじゃないかと思うのだが、MS 社は一貫して Lv.3 を基本として作業しているんだよな。想像だが、吹き替え・字幕は映画と同じ基準でやるべき、というような思想がグループ全体の基本方針になっていて、マニアは字幕で十分だけど一般人は吹き替えじゃないと見向きもしない(からゴールデンで TV 放映する映画で字幕っていう選択肢はない)、そして情勢がどうであろうが最終的にマスに売ってゆくべきコンテンツはマス向けの完璧な水準を満たすべきだ、とかいうかんじなんじゃないのかな。日本 MS 社は初代 XBOX 時代に Lv.1 路線も試みているけど、いまいち結果につながらなくてアレだったのかもわからん。たぶんワールドワイド商売の基本方針としては完全ローカライズを標準化するってのは間違ってないと思いつつ、日本くらいアメリカ英語文化に抵抗のないリージョン相手には、Lv.3 までやんなくて Lv.2 程度のもので十分なんじゃないかと思える。映画でいえば、全年齢対象の王道的な作品ならともかくとして、わりかし固定されたジャンルの作品なら字幕より吹き替えのほうが商売の効率はよかったりしないのかなという。ジャンルが戦闘モノとかだと、映画もゲームも英語圏製のものは英語のほうが楽しめるし(「Go go go!」を「行け!行け!走れ!なにやってる!急げ!行け!」とか日本語文化じゃありえない台詞回しにする邦訳戦争映画でおなじみの鬼軍曹しゃべりなどは、あれはあれでもはや固有の芸能化しているような気がするのでいいんだけど)。でもゲームで Lv.2 に相当するようなのってないんだよなあんまり。