藁にすがって生きるか、可能性を抱いて死ぬか

藁にすがって生きるか、可能性を抱いて死ぬか、どちらにせよ量的にも質的にも貧しい選択だが、そのどちらかしか選べないのが貧乏人だ。貧乏人とは、余裕を使いこなせない全員のことだ。

年末からこっち、十分おもしろそうなのだが諸般の事情でそのタイトルに対していまひとつモチベーションが上がらない、したがってリソースを割けず、ゲームプレイが進行しない、ようするにせっかく買ったのにもかかわらず全然遊んでないタイトルを複数抱えてしまっており不快だった。よくない状態といえた。あまり意識してなかったが積みゲーということだ。ザ・ビッグバトルは嫌いじゃないが、それを抱え込みすぎる状況にプラス面はない。具体的には Wii「ゼルダの伝説 Twilight Princess」と XBOX 360「LOST PLANET」の二本だ。あと実際には PC「ひぐらしのなく頃に」とかもあるが、こちらは相当長く続いたザ・ビッグバトルの第二ステージ中であって HDD が飛ぶことで勝負リセットという、いい具合のモチベーションテコ入れステータス巻き戻りイベントを迎えたばかりで、積んでいるというような意識はまったくない。ザ・ビッグバトルはいわば、置いてみて距離感を測っているという心理だ。可能性を楽しんでいる状態だ。余計な可能性を抱えそれに苛まれて身を膨らませ心を痩せ衰えさせるというような状況からは遠い。

で、結局売却して済ませることにした。T が 360 を買うというのでそのついでに「LOST PLANET」と「DEAD RISING」の CAPCOM 社製品二本を。「DEAD RISING」のほうも、アクションゲーとしてのカニ歩きできない仕様問題とかマッシブを相手に大雑把にやるのかと思いきや案外時間に追われてチマチマやるゲーな部分とか、いろいろあるけど最終的には LOST PLANET 同様に「どうにもギリギリのところで CAPCOM 社製品を信頼しきれない」という心理が引っ掛かりになっていて、結局自分では遊べなかった。そういったものとは一旦距離をとるのがよい。優れたものすべてを遊びつくさなければ「損をしている」とでもいうような方向性は貧しい。おれの手元にはすでにいくつものタイトルがある。しかもそれは過去の懐かしいなにかではなく、まぎれもなく最新の多様性の表出としてだ。あとでまた遊びたくなったら買いなおせばいいことだし。とにかくにも、無駄になってしまっている荷物を投げ出してしまおう、それがまずやるべきことだ。こんな真似ができるというのは、360 のラインナップが当初の想像を超えて充実しているということで（＝やりこみに値するゲームが多過ぎて全部あそんでる暇がない）、いい時代を生きているわけだから喜ばしくもある。飽食にある飢餓感から領分をわきまえずソフトを抱え込みすぎる過ちを犯したが、それも是正した。また身軽になった。

ゼルダのほうは、ゲーム中古屋で売ろうと思ったが身分証を忘れて、また今度。