Wii の画面は粗いか否か問題

PS3 や XBOX 360 と並べると Wii の画面は、けっこうびっくりするくらい粗いが、たぶんそれは問題視されない。なぜなら、Wii は「別物」だから。この場合の「別物だから」とはなにかというと、同じ基準で判定すべきでないものとなる。その他の「別物だから」の例としては、

• うどんとスパゲッティはどっちも麺類ではあるが、じゃあどっちが麺類として美味いのかは、「別物だから」比べられない（それでも敢えて比べてみたい場合は吉村文庫「科学情報 うどん・スパゲティ」を参照）。
• 商業の少年漫画単行本 200p 程度で 1 冊 400 円に対して同人誌は 30p 前後で 500 円とか 1,000 円とかザラだが、商業誌と同人誌は「別物だから」そんなことは気にされない。
• カレーを散々食ったあとでも、ケーキは「別腹だから」入る。
• TV や PC の画面はものすごい勢いで綺麗になっていて、しかし家庭内にあるその他の電化製品などに使われている液晶の進化はそれほどの勢いではなく（炊飯ジャーとか体温計とか洗濯機とか）、まあなんというかモノのジャンルによって画面の見え方の綺麗さはまちまちで、なかなか同じ基準では判断できない。

したがって、Wii を中心としてものを見る場合、そもそも Wii の画面を XBOX 360 や PS3 と同じ基準で評価するのは誤りとなる。まあ強いて対比するとすれば、Wii の画面は PS2 と比べれば綺麗だし、初代 XBOX と比べてもそれほど見劣りはしないよ、というかんじか。プログラマブルシェーダなしで今後どれくらい絵柄感を追求できるのかは疑問だが、まあそういった絵柄開発路線自体が修羅道すぎるとの以下略。

なんだろうかなー、これまででいうと家庭用ゲーム機を大雑把に「据え置き機」「携帯機」で二分して、たとえば NDS も Lite になってずいぶん画面明るくなったし美麗な液晶なのでドットワークも映えるけど、解像度も映像表現力も当然 PS2 には及ぶべくもない、などということは、「別物だから」当然問題にならないわけなんだけど、これと同様のことではないのかな。じゃあそれはなんだといわれると…ゲーセンの体感筐体の廉価版？まあおれの認識では、そういう路線も受け止めつつ、どちらかというと Wii がガチでシェアを奪いにきているのはまずなんといっても「Let's TV プレイ」（http://www.letstv.jp/）とかあの系の「TV につないですぐ遊べるおもちゃ」の分野なのではないのかなとか思っている。基本的な市場への食い込み方としては、初代ファミコンからそれほど変わったことをしているわけではないという。剣神ドラクエとか SWLSB とか、と言えばそのまんまな路線ではあるんだけど。

ゲームを専門に売るような業界まで出来て、デパートのおもちゃ売り場がゲーム販売の主戦場でなくなってから随分経つが、任天堂社製品は、あいかわらずそういう場所でも売っていて、そういう意味では任天堂社のゲーム機だけが、この数年 TV プレイ的な製品と同じフロアで戦い続けてきたのだともいえる。もちろんそこに絞り込むようなことはせず、いろんな方向へ売っていけるように一通りの伏線は打ってあるだろうし仕掛けも用意していくのだろうから、Wii の今後は楽しみだ。ライフスタイルとかまではたぶん変えないが、NDS 以降の任天堂社製品にある「よくできたおもちゃ」感が、製品としてどこまで通用していくのかには興味がある。まーしかしこのへんもものはいいようというか方便の類だな。PS2 とかもライバルは携帯電話だったりとかしたよな確か当時。私の彼がパイロットだったのはリン・ミンメイでな。

まあ諸々勘案して導き出される結論はただひとつ、Wii コンで（パッドや MEGA-SPIDER じゃダメ）スティールガンナーやリーサルエンフォーサーズを出すしかないよね。ガンシューティングブームになる前に先手を打つんだ！たのむぜセガ。セガ？