matakimika@hatenadiary.jp

WELCOME TO MY HOME PAGE(Fake) ! LINK FREE ! Sorry, Japanese only. 私のホームページへようこそ!

ファミコンウォーズ DS

やってるなーファミウォー。理由はいくつか考えられる。

  • タイトルとして
    • よくできている。ボリュームもある。対戦も良い(対戦材としては時間がかかりすぎるのでむずかしいところだが)。絵も音も内容にも手抜かりがない。INTELLIGENT SYSTEMS 社は、仕事の手堅さにおいて信頼に値する会社だと思える。
  • NDS ゲーとして
    • NDS でほかに遊びたいゲームがあまりない。FWDS 以外でおれの持っているゲーオタ的にうれしいタイトルといえば「押忍!闘え!応援団」「TETRIS DS」くらいか。初代 XBOX の例を挙げるまでもなく、少数の質が無用の量を凌駕しうることは家庭用ゲーオタの常識であるから、うれしいゲーが少ないからといって NDS が無価値なハードというわけではない。
    • ゲーセンパズルゲーの傑作の移植となる「瞬感パズループ」(http://www.nintendo.co.jp/ds/aplj/)が、あまりきもちのよい移植ではなかったのは残念だった(PC&XBOX 360 の「ZUMA」のほうが快適で、ちょっと微妙な顔をしてしまう)。
  • SLG として
    • 一方据え置き機では、もう普通の伝統的なターン制 SLG、つまり FWDS のようなタイトルを遊ぶ気にならない。一昨日より多機能に、昨日よりも高性能に、ゲーム機は日夜進歩してきたのだから、不十分な環境でもそこそこに見栄えが良く退屈しない FWDS のようなタイトルは、最強に強まった現行据え置き機の土俵ではもはや役者不足なのだ。GC でも、ファミコンウォーズは「突撃!!」がついて三人称視点のリアルタイム戦術アクションになった。それくらいのことができていなければ、いまさら TV モニタの前に座りっぱなしになろうと思わない。
    • …というようなわけで、FWDS のようなゲームは「十分おもしろく、枯れた行き届いて間違いのない職人ワークを享受できる優れたジャンルとして完成されているのにもかかわらず、据え置き機にそぐわないタイトル」となってしまった。で、そういうことならまだまだ環境として十分でない携帯機で、というわけだ。NDS で遊んでいるぶんに、FWDS はただのおもしろいゲームであり、不足は特に感じない。

往年に盛況だったようなゲームジャンルが、現在も同じ様式を繰り返しているだけというようなことはない。まともに開発されているゲームジャンル内タイトルは、それなりの進化を遂げているものだ。繰り返しに陥っているとすれば、

  1. ジャンルとして枝葉に至るまですべてを細密化し尽してしまった。
  2. とりあえず現行ハードで追求できる限界までやり尽くしてしまった。
  3. ゲーム会社の開発体制が硬直化しており、同じ様式を踏襲することしかできなくなっている。
  4. ジャンル成熟期(刈り入れ時)であり、稼げるときに稼いでしまうべく後追いメーカーが続々バチモンを乱発している。

上記のどれか。1 の場合、これはまあゲームジャンルとしての様式の限界であり、次のビジョンを提示する新ジャンルの誕生が待たれる。2 の場合は単純に次世代ハード待ちとなる(←ゲームマッチョイズムの出番だ!)。3 以降は問題外。

まあ現実的に 1 の状況というのは考えづらくはある。どのみち人間のやることであるから完全などということはないし(←なんにでも効率というものはあるけど)、常にそれなりのペースで更新されてきたゲームハードは、開発者やプレイヤを退屈させない新機能を持っていた。そこに着想を得てあれを継ぎ足しこれを伸ばして、あれこれやっていればそれなりにネタには尽きないものだ。けども、まあ「役割を終える」ということはあって、それがたとえば据え置き機における伝統的なターン制 SLG であったり、また 32bit 世代と共に幸福な時代を歩んだ RIDGE RACER シリーズであったりするというわけだ。このあたりは、本当にはもうやることがないわけではないので 1 とは違うんだけど、やはり 1 に近い状況とはいえるだろう。

で、その「伝統的な」と括りをいれなければならないほど最新型と旧型でジャンル内に様式変化のあった代表の筆頭のひとつに SLG は挙がるだろう。RTSSLG 界隈の獲得した確かな進化のひとつだ。ほかには RPG もあるだろう。ネットワークは確かにそれを別種のものに変えた。オンラインで獲得した新しさはオフライン時代には引き戻せるものではないし、またオフライン RPG に限ってみても、たとえば「魔界塔士 SaGa」と「OBLIVION」が同じく RPG だなどとは、それが当たり前でありつつも、やはり驚異的ではある。ADV はどうか。ADV というジャンルの拡張が盛んだったのは随分前のことなので、ここ数年でトピックとして挙げられるものは多くないが、まあ「カサブランカに愛を」と「逆転裁判」を並列に置いて違和感がないってことはない。ゲーム内部のコードがどのようであるかを問わず、その「見た目の様式」によって判断されるゲームジャンルというのは、ゲーム消費者向けにゲームメディアによって提案された概念であろうから(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20050306#p3)、じつはこの「同じジャンル内なのに様式が同じに見えない」というのは、かなり劇的なことだと思う。

そのような、一旦様式落ちした、役割を終えた、枯れた安全なジャンル内定番様式にとって、携帯ゲーム機はしばらくのところ良い土俵といえるだろう。もちろん携帯ゲーム機にしても過去を踏まえて「最新型」として提案されているハードであるから、古い様式を継承しながらやはり新しい試みも必要となる。なるが、それは新商品としてリリースされるタイトルであれば試みられて当然のことだ。昨日より今日が良く、今日よりも明日はもっと良いと信じることのできない工業製品は機械文明の原則に反している。半分を過去の据え置き機における資産、半分を現在の携帯機としての最先端に預け、一旦途絶えた流れを接ぎ木してここでもまた次の世代のゲームを模索するバランスか。明日を拓くところまではあまり期待できないかもだが、今日を豊かにするぶんには十分だろう。脱線も大概でだんだん指が疲れてきたのでここまで。