ジダン氏頭突き問題決着、のメモ
この事件で印象的だったのは、
- ジダン氏が試合中にみせた暴力行為は、FIFA の掲げるフェアプレー精神に反している。
- 暴力行為の直前、マテラッツィ氏がジダン氏に差別的発言をしたという各種メディア上での報道が本当なら、マテラッツィ氏の発言は FIFA が今大会で掲げた反差別の精神に反している。
フェアプレイも反差別も、FIFA にとってはどっちも大事な題目のはずで、ジダン氏とマテラッツィ氏の事件は、ある意味 FIFA に対して「反フェアプレイと反差別は、どっちがより悪いのか」の判断を迫るものであったかと思う。
結果としては、マテラッツィ氏は差別的な言動をしていなかったという判断が下され、ジダン氏の大会 MVP は剥奪されず、両者に罰金と国際試合出場停止(ジダン氏は三試合、マテラッツィ氏は二試合)のペナルティが与えられたが…しかし…、むずかしい問題だ。そうやすやすと考えられることではない。この件はこれにて収束していくかもしれないが(関係者は収束していってくれることを願うだろうが)、やはり長い目でなにかと取り沙汰されることにはなっていくだろうと思う。
- FIFA 公式:Germany 2006 - Anti-racism banner