チャーハン天国 焼き飯地獄
最近よく食っているものといえばチャーハン。チャーハンと書いてみたがそれは嘘だ。チャーハンというからには工程に「炒(チャー)」がなくてはならないが、おれにその技量はない。中華鍋も持っていない。レンジごはん通常盛りを x2 + 卵 x2 + チャーハンの素をフライパンの上で適当に合成すれば、なんだか焼き飯状のものができあがる。おれが食っているのはそれだ。
材料の共通点は「ごはんはパックにより、チャーハンの素は袋により、卵は殻により、パッケージングされている」こと。清潔に長持ちしやすい材料ならいつ作ってもよいので余裕があり、制作時間も消費時間も片付時間も短いので敷居が低い。それぞれのパッケージは開けた端から捨てていき、出来たものはフライパンを器がわりにスプーンで食えば、食い終わったあと菜箸とスプーンとフライパンの三つを洗えば片付け完了であり非常にラク。これで肉とか野菜とか切ってると、洗うべきアイテムにまな板や包丁の二つが加わるので面倒くささが上昇。卵は器にあけてかき混ぜてから入れるやり方もあるが、それだと洗うものが一つ増えるわけなのでフライパンに直接あける。
こういう形態でメシを食っているので、材料のどれかが切れたときの補充の感覚が、なんとなくあまりメシの材料を買ってるというような気分ではない。なにに似ているかを考えていたら、そうか、「カラーコピー機のトナー買ってるかんじ」に似ていることに気づいた。シアンは余裕あるのでマゼンダ二つとイエロー一つ買っとこう的な。こんな気分で買ってる限り、おれに「どうせ食うならうまいもの」とか「どうせ作るならより凝って」というふうな感覚が芽生えることはあるまい。