風邪

うなされるというのはまさにこういうことをいうのだろう。ほぼ丸一日以上布団の中でもがき苦しんだがほとんど回復せず。寝て寝て寝まくっているが眠りは浅く、何度も軽く目覚めてまた眠るという繰り返し。はっきり覚えていないが夢をたくさん見たような気がする。覚醒しているごく短いあいだ、これは下手するとこのまま死ぬかもしれんなと漠然と考えたりしていた。あーここで死んだら死体の片付けとかでひとさまに迷惑かかるな、喪主とかどうなるんだろうか、というかどうせ拝みにくるひともないだろうから葬式は上げなくていいよなとかどうでもいいことをグルグル。そんなことを考えられるうちはまだ死なないってことなのだろうとも思ったが、そんないいつつ人間死ぬときは死ぬのだから、案外こんなところでポックリ逝くというのが一番ラクな死に方なのかもしれない。そういう夢を見たのかもしれない。

けどまあ昼を過ぎてどうにか上体を起こせる程度まで回復すると、やはり生きているとしか言えない。体調は最悪だが、なぜこれを最悪というかといえばおれの体に死ぬつもりが毛頭ないからだ。生命の危険とまではいってなさそうだ。風邪は元気でおれは頭が痛い。悪寒がひどい。これはわりと普段からそうだが関節痛もあり、いや風邪のせいもあって普段より増幅されているか、仰向けになったりうつ伏せになったり横向きになったりしながらなるべく負荷の分散できる姿勢を探す。寝る以外のことはできないしやりたくないが寝苦しい。煙草を吹かしてみるが異様な味しかしない。食欲はないがヨーグルトは食える。体温計を持ってないので熱が計れないが、「額に汗が浮いていて冷たい」と「汗をかいてなくて熱い」の両極端しかない気がする。

夜になっても「どうにか上体を起こせる」から先まで回復してくれない。しかしひまじゃひまじゃ。まる 24 時間以上なんのメディアからも情報を摂取しておらんわけじゃよー。TV とか見ると痛いし、ブラウン管よりは液晶のがマシかなと思うがやはり痛いし、RGB なメディアがきついというのなら CMYK なメディアでどうだと思ったが本も漫画あれはあれで字を追っていくと耳鳴りに似た頭痛が増幅されてしまってきつい。しかしまあどうせ毒ならいちばんきつそうなやつ…と思って TV をつけたらちょうど「風の谷のナウシカ」でナウシカを乗せてトルメキア軍の艦隊がペジテに向けて出発するところ。やべーなうしかちょうおもしれー速攻頭痛くなってきたけどナウシカが面白いもんだから途中で TV 切って寝るわけにもいかなくなった。べつに DVD もってるのでいつでも見れるわけなのだが、そういった保険は現在進行している作品とは関係ないので結局最後まで見た。おもしろかった。頭は激痛。腰が立たない。悪寒。明日出歩けるくらいまで回復してたら病院行こう。