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invisible vein

旅行写真 | 060102

女オタ界隈ではわりとあるらしいのだが男オタ界隈ではほとんどみられない慣習のひとつが「友人(一人)のためだけに作品を書く」だ。これってなんだろうなーどういうことなんだろうなーなんでだろうなー、とかはあまり思ってなくて、まあ男女の性質差のひとつだろうくらいに納得しているのだが、一応そのあたりについて現状の認識をメモっておく。

  • はじめてその慣習を知ったのは高校の時。同人やってる女子が「友人の誕生日プレゼントに」と同人誌を作っていた(なんとなく作品名は伏せるが少年漫画のやおいまんが)。彼女は同人誌即売会にも参加していたが、その本はコピーを一部だけ作り、友達にプレゼントしたら終わりとのこと。
  • 特に記念日とかでなく、(作品、キャラ、カップリング、シチュエーション等を)依頼されて書くケースもあるとのことだった。というかそっちのが多いとか。知ったきっかけが誕生日本だった理由は「誕生日は後ろにズレないので締め切りが押して、放課後こっそり作業する必要が生じ、それをおれに見咎められた」。そういった事情がなければ自宅でガリガリ書いて終わりであって、おれがその時点でそのような文化を知ることはなかっただろう。
  • コピー製本までするのは(証言によれば)わりと珍しいケースらしく、基本的にワープロで打ち出して終わりとか、ルーズリーフに手描きで渡して終わりとかのが多いとのこと。また、製本して手渡す場合、本と一緒に原稿(版下)も渡してしまう場合もあるとか。
  • 「依頼されて個人向けに書く」についてはあちこちの場所と年代について証言を得たので、わりと一般的なことと思っていいのかなと思っている。友達グループの中で文章書けるひととかだとけっこうある話だとか。
  • 漫画の場合も稀にはあるようだが、小説(というかいわゆる SS 的なもの)のケースのほうが多かった。傾向と言い切ってよいほどのサンプル数はないのでこのへんは今後確認を取っていきたい。けどさすがに対個人向けで同人漫画ってのはコスト高すぎるかなあと思うので、やっぱり文章のが多いんじゃないかな。漫画コミュニティと小説コミュニティでこういった慣習へのスタンスの差とかがあるのかどうかは不明。
  • 以上、インターネット以前の時代からのサンプル。女子コミュニティにインターネットが普及して以降についての話は、まだ考えられるほどサンプルがない。調べればいくつかそういった水脈のようなものを漠然と感じなくもないサイトやサイト系(個人サイトのリンク集)もみつけられなくもないが…。
  • いはゆるドリー夢小説以降の女子コミュニティについても、このような個人向け同人テキストの存在は確認した。ただ、それは彼女たちがドリー夢以前の女子コミュニティの文脈も継承しているひとだったからというだけの話かもしれず、P2P 作品の発信者と受信者が層として存在するかどうかはわからない(まだ二件しか確認できてない)。
  • もしまだそのような伝統が根強く継承されているなら、ネット以降の女子コミュニティでは、メールやディスクベースで遣り取りされ、web 上には決して上がらない文書画像の類が全国津々浦々の女子 PC の HDD に眠っているということになるかもしれない。ただまあ同人誌即売会等、公開機会の少ない地方女子やおいコミュ等といった土壌によっても熟成された慣習であろうから、その時代から比べてはるかに作品公開の敷居の下がった現代であれば、さすがに質量は減ったんではないかなあと推測上の推測を重ねておく。自分または贈呈先のサイトの隠しページで公開してコミュニティ内で共有とか、そういった形とかだとありそうかな。
  • ちなみに男コミュニティの場合だと、誰かにプレゼントするような本を制作する場合でも、だいたいは本人に手渡して終わりということにはしない。誰か向けということを明示しつつもコミュニティ内、また(ネットや即売会等)一般に頒布したり、即売会頒布物に再録したりする。「関係を明示する記念品」という扱いになるわけだろうか。なお、これをネットに移植すると「ゲスト絵」「プレゼント絵」「キリ番絵」とかのコーナーになるわけなんだろうけど、これ男子オタサイトだとわりと見かけるけど女子オタサイトだとどうなんだろうな、あまり見ない気がしなくもないけどたまにそういうサイトもある。一般的傾向とかを見出す筋ではないか。
    • なお、「誰か用に書いたものを一般売りの本に再録する」というのは女子的にアリか?というのが気になっているんだけど、はっきりしたことはわかってない。ただ、聞いた限りあまりいい顔はしてなかった(彼女たちは「書いたほう」であって「もらったほう」ではないわけなので、これについては両方に質問してみないとだめかも)。
  • では男オタにプライベート作品を作る慣習がまったくないかといえばそうではない。作品に限らなければ資料蒐集というかコレクション欲とかにも通じるわけだが、「友人一人だけのため」ではなく「自分以外誰も読まない」作品を作るのが趣味というひとが、ごく稀だけど居なくもない。この、プライベート作品感覚を、「自分一人に固定しておく(男)」か「友人との二者関係上で共有する(女)」かという感覚差がちょっとおもしろいんだけど、そこから先には考えがつながらない。連想するとしても、せいぜい懺悔のシステムとかかなあ。