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ハチミツとクローバー 7 巻

読んだ。以下妄想。

  • 七巻は、はぐ側のトライアングルが進展する話だった。というか竹本の自分クエストからの帰還。ハチクロのストーリーはシングルタスク構造であるため、真山のトライアングル側は今回大きくは進展しない。一応次の展開へ向けて着々と状況が推移している。
  • 山田の描かれ方はもう、壊れものを扱うようで愛愛愛愛で充満している。真山側の乙女ちっく担当は山田と真山だが描かれやすさで山田が数段上だよなあ。トライアングルが戦闘になるためには真山の乙女ちっくモードも山田なみにドライブしなければならないかもしれない。いやそうなると全面戦争なので、真山は山田と原田の中間で適当な頃合で乙女ちっくドライブを投棄したほうがいいのか。わからん。
  • 竹本の帰還によらずとも自分からどんどん窮地に向かって直進している男が森田だが、どうなるんだこっち側のトライアングルは。竹本側の腰がまったくヘニョヘニョだったからこそ半端な現状維持でひきのばされてきた三角形が、七巻を終えた現在ではいつ崩されてもおかしくなくなってしまったぞ。つまりもう巻が進むごとに森田は弱まっていくので竹本は実は座して待つだけで衰弱して退場していく森田を見送りつつはぐを労せずゲットできるということになるのではないかと思われるわけ、だがしかし、もちろんそんな展開はちっともドラマチックではないのであり糞だ。当然森田にはがんばってもらわねば男が立たんのである。己の存在力を弱めてまでステージにとどまり続けたのは何がためぞ。
  • そもそも森田といえばつまるところようするに無敵は素敵勝利はプラズマであり、ハチクロにおける鳥坂先輩担当であって、芸術的なセンスを誰からも問われることがないほどの器用貧乏で(←器用すぎるために才能の有無が問題にならない)、浮世からうわついたレイヤの住人、なんでもできるが何もその手に掴むことはない、伝説の OB となって数年後に突然やってきたときにはどういう経緯でか美人の嫁さん連れているみたいなかんじの予想図の似合う男でしかなかった。そうなってればなんの問題もなくしあわせで挫折もなく問題なくばっちこーいであり超オッケーだった。
  • だがその立ち位置を捨て去った男が森田だ。最初は軽い気持ちだったろう。器用すぎるほど器用な俺様はなにをやっても安全だとでも思っていたのにちがいない。はぐへの恋だ。コロボックルとか。おためごかしだ。そんなもんではなかった。身の安全とはぐとの恋愛は、森田ほどの器用をもってしても両立できない難題なのだ。鳥坂先輩のままで後輩女子と恋愛などできる道理がない。道理がないところに道を作るのは才能だろう。そして森田は単に器用なだけで才能はない男だった。あるいは野宮にならできたかもしれない。スペックでいえば野宮は森田に及ばないかもしれないが、必要なのは最大出力ではない。バランスだった。まあそれは筋合いのない想像だ。野宮も学生の頃は真山みたいだったっていうし。
  • 森田ははぐとの恋愛のために竹本ごときと言語の通じるレベルまで降りることを選択した。鳥坂先輩から三鷹瞬への肉体改造とでもいえばいいのか。なみの変貌ではない。先にも書いたが最初はそんなつもりではなかったろう。だがもはやそんなことは言ってられない。失ったものは大きい。もはや「失った」とは表現できないほど彼の世界は変わっているはずだ。泥にまみれただの男にまで自ら成り下がった彼はもはや戦うしかない。ないのに、それでも彼はまだ覚悟を決めあぐねている。なぜだ。その理由はもちろん、かつての記憶であり、かすかに残る鳥坂先輩としての世界であり、そしてはぐへの想いであり(←ていうか森田は忙しすぎていまだに分析終えてないだろ自分のはぐへの気持ちを)、自分の居場所としての大学の空気だ。竹本は自分クエストを終えた。次は森田が、トライアングルを最後の戦場にするための、自分クエストを終える必要がある。彼の旅先はキャンパス内だ。海外行っても見つけきらない森田の自分は、はぐの近く、竹田の近くにしか見出せない。彼がそれを見つけて、ハチクロ最後の戦いがはじまる。
  • 森田は今後はじめて自覚的な苦悩を体験することになる。彼は結局すべてを器用に選択してきた。内情があったにせよだ。才能の欠如は彼を滅ぼす。滅ぶとわかっていても最後まで器用に森田は振舞える。無才を自覚するところから出発している竹本と、一度だけは同じ土俵で意思を交錯させるかもしれない。それでなければ意味がない。ないが、森田はまだ迷うだろう。おれは森田のことが心配だ。このままでは森田ははぐを泣かせて、そしてそうなることで三角関係に決定的なベクトルを与えかねない気がする。そんなのは御免だ。それはもう知っている。森田ならかつてない、それ以外のあり方戦い方で最終話まで生き抜いてくれるものと期待したい。森田は力石徹を超えるべきだ。
  • まあそれはそれとして竹本だが、あれはどうなのかな自分クエストの成果というものは。面と向かって「好きだ」と言える腰の強さは得たが、それは単にスタートラインに過ぎんのであって、そこから先の様式でいうと相変わらず森田のほうが器用的に圧倒リードではあるわけなのだ。竹本は自分探しの意義をこれから作っていかねばならない。自分探しの値打ちは、探した気になった自分にはこれくらいのことができるはずという世界の線引き如何にかかっている。プロモーションだ。竹本がそれをどこまでやれるかで展開予測がまったく変わってくる。というか、決めあぐねるいいタイミングで終わるんだよな七巻が。

はよ八巻でないかな。