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戦ふ兵隊

当時(戦時中)検閲されて上映禁止になったとか、反戦的な内容とかいうような評判を伝え聞いていたんだけど、そんな毛色は感じないごくふつうのニュースフィルム調の映画だった。ようするに「戦争に明示的に反対する」だけでなく「戦争に特に賛成しない」だけでも処罰されたっていうのが、当時の余裕のなさだったのだろう。

おれの場合、自分が戦争に巻き込まれたくない場合にいちばんよさそうな方法は、戦争反対でなく平和賛成なのかなあと思っているが(戦争と平和は対になる概念でないような気がするので、「戦争」を主軸としてそこに賛否を迫られることにでもなれば、もうその時点ですでに手遅れ)、この映画にはそういった主義や主張が感じられないというか、戦争賛成も戦争反対も平和反対も平和賛成もとくになさそうなかんじだった。なんかとにかく珍しい絵があるから撮りましたみたいな。せっかく撮影隊が居るんだからちょっとがんばって近隣から自動車かき集めてきましたよみたいな。中国広いよーとか。ほらほら戦車ダヨーみたいな。どこか無邪気さすらあるような。

もっとも、こうした日常的な感覚の肯定が、ロマンとか大義とか、ファンタスティックなものの否定へとつながる面はあるよなと思うしで、これはこれで戦争賛成派のひとからすればヤバいものに見えてもしょうがないよなと思った。ことごとく平凡な情景のあいまに挿入されるプロパガンダ的な内容が、画面から浮き出て見えたのは事実。

前線の指揮所のシーン、セットみたいだったりとかお芝居っぽかったりとか、逆にそこがリアリティっぽかったりして、おもしろかったんだけど、そういうのとは別にしても「歴史上、軍隊のある日常は特におかしなものではないのだから、軍隊てやっぱふつうの会社っぽい部分もあって当然なのだなあ」とか思った。